長野県安曇野市穂高
風と雪の音だけが聞こえました。

-

-

-

-

2008年1月23日、
この投稿により、
ブログ『よく晴れた雨の日に。』が
スタートしました。
回顧録
もう10年も前のことだ。
この日は夜勤明けで、朝から重たく湿った大粒の雪が降っていたのを覚えている。
一眼レフを手にしてから半年余り、いろいろなものを撮ってはいたが、いまいち持続性に欠けるというか、ただ撮って「撮れたな」と思うだけの毎日が続いていた。
大枚をはたいたカメラが、このままではよもや自室のモニュメントと化してしまうのではないか、という危惧をどこかで感じていた。
まるで撮れない腕前の頃は、少しずつ上達していくのを自分自身で確認できることが写真へのモチベーションとなっていた。だが、写真の技術というのはコンスタントに右肩上がりというわけにはいかず、写真への情熱がちょっと宙に浮きかけていたような気がする。
この辺で、ちょっと腕試ししてみようかと思った。
自分の写真を、そろそろ誰かに見てもらいたい。それも、家族や親しい知人ではなく、不特定多数の知らない人に。その、写真を「誰かに見られている」という緊張感がやりがいに変わるかもしれない。
まず思い浮かんだのが、写真のコンテストだった。コンテストで認められれば、やる気が出ることは間違いない。フォトコン命で頑張っているカメラマンだって沢山いる。
だがしかし、だいたい自分の腕からして、コンテストに入賞できるようになるまで、また悶々とした時間を耐えねばならないことは目に見えている。
もともと堪え性のない性格である。長い道のりは嫌いだ。
早々にフォトコンは諦めた。
では、手っ取り早く、不特定多数の人々に写真を見てもらうにはどうすればいいのか。
ブログをやろう、という結論に達するまでにそう時間はかからなかった。
すでにカメラを買う時点で、参考にさせてもらった先輩方のブログを毎日のように見ていた。とても先輩方のような写真は撮れないが、いつかそんな写真を撮れるようになる日を夢見つつ、ブロガーの仲間入りをしてみようと思った。
今日からブログをやる。
思い立ったら、居ても立ってもいられない。
ブログをやるからには投稿のネタだ。ネタを撮りに行こう。
夜勤明けの帰り道、大粒の雪が降りしきる中車を止めた。車の後部座席には、いつでも撮れるようにと機材が常に積んであった。
仕事着に上っ張りという出で立ちで、車から降りた。
ちょっと撮っているうちに、頭に肩に、あっという間に雪が降り積もった。
ずぶ濡れになりながら、「目的のために撮る写真」の面白さとワクワク感を、この時初めて感じた。
それから帰宅して、どうやってブログを投稿したかはよく覚えていない。
まさか、そのブログが10年以上も続くことになるなど、この時は想像だにしていなかった。
もしこの日、ブログを始めていなかったら、私は今、写真をやっていただろうか。
人生は不思議だ。
(記・2018年7月11日)
タグ「空と気象・自然風景」の関連記事
- 紅葉のち夕空
- 雲海の朝
- 霧の森
- 雲が美しかった日
- 田んぼの朝露
- 岐阜県関市「モネの池(根道神社の池)」
- 環水平アークと全周幻日環と下部ラテラルアークと環天頂アークが見えた!
- スギ花粉による花粉光環2019 第2弾
- スギ花粉による花粉光環2019
- モルゲンロートの後立山連峰
- 朝靄
- 称名滝(しょうみょうだき)を見に行く。
- 雨垂れ
- 山霧
- 花粉光環(花粉光冠)
- 積乱雲
- 夏の稜線 ― 三峰展望台から望む
- 米子大瀑布深緑
- 雪に変わる
- 霧の町
- 富山湾、冬の蜃気楼
- 夏空と雲
- 雲の海、星の海
- 霧晴れる
- ナトリウムランプが灯るころ 2
- 東雲
- あの日見た、馬鹿みたいに青い空
- 霧の中
- 夕空とナトリウムランプ
- ナトリウムランプが灯るころ
- 夏の雲
- 安曇野の青い月夜
- 夏の高原と空
- 雨氷
- 雨のち晴れ
- 南岸低気圧の日 ブログ『よく晴れた雨の日に。』開設