信濃国松川響岳太鼓 ブログ Twitter Facebook
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2019年2月16日。
長野県大町市、大町温泉郷
森林劇場(野外ステージ)。
梢の向こうには青い月。

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大町市の冬の観光イベント「おおまち雪まつり」の一環として開催される
『夢花火と音の祭典』。
期間中は週替りで
地元の和太鼓グループがライブを行っている。

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会場である大町温泉郷の野外ステージ周辺は
スノーキャンドルで彩られている。

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会場の真ん中には大きな焚き火が
赤々と燃えさかる。

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ライブ開演50分前。
まだ観客のいない会場に
和太鼓の音が響き始める。
音を出しているのは
本日の出演グループ、
『信濃国松川響岳太鼓』。
ライブに先立って
念入りなウォーミングアップを行う彼ら。

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ウォーミングアップといっても
身体をほぐす、暖める、といった
ソフトな感じはない。
この後、どんな演奏が始まるのか
予感させるような激しさがある。

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演奏を待つ太鼓たち。

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巴模様の描かれた大太鼓。

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長胴太鼓。

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締太鼓。

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観客が集まり始める。

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間もなく開演。

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舞台袖からメンバーが静かに歩み出て
それぞれの定位置へ。
オープニング曲は『化身』。
二人の締太鼓のリードに長胴太鼓と平太鼓が加わって
駆け上がるようなビートを刻んでいく。

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ちなみに、長胴太鼓は曲の演奏中、
ずっと上体起こし、いわゆる腹筋全開状態で叩き続ける。
恐るべきアスリート曲なのだ。

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曲中、銅鑼の音が鳴り響き、
突如として鬼が登場。

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赤鬼。

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白鬼。

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三鬼の登場で
曲はクライマックスへ。
鬼が時折叩く小ぶりな長胴太鼓の高い音が
エキゾチックな風味を醸し出す。

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いきなりのフルスロットルで始まったライブ。
二曲目は『月の下で』。
曲は、平太鼓と篠笛で静かに始まる。

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付点音符主体のゆっくりとしたリズムに
流れるような篠笛の旋律。
まさに月夜の光景。

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月夜の静寂の中、
不意に締太鼓の連打が始まる。

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締太鼓の激しい掛け合いのなか、
桶胴太鼓が加勢、
長胴太鼓は絶え間ない16ビートを刻み続ける。
曲名が「月夜」でも「月の光」でもなく、
「月の下で」であることの意味を理解する。
テーマは月夜なのではなくて、
月の下で行われている尋常ではない何か、なのだ。

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体中の血が逆流するような高揚感。
渦巻くような音の流れに翻弄されていると、
曲の中盤でいきなり来る
縁打ちのユニゾン。
「カッ!」
という音にハッとする。

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奏者は終始渾身の打ち。

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曲は激しさを保ったまま
終盤へと突き進む。
魂がどこかに連れ去られてしまうような
何度聴いても素晴らしい曲。
この野外ステージでのライブではいつも、
ファンサービスも用意されている。

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聴衆参加型の太鼓演奏体験。

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大盛況で、この日は連続3回の開催。
お客と奏者が一体となった。

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和やかな雰囲気から一転、
三曲目は
『迅雷の響き』。
曲調は、雷雨の真っ只中にいる情景そのもの。

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導入部は嵐の前の疾風を思わせる篠笛。
大粒の雨が絶え間なく降ってくるような長胴太鼓。
そこに、大太鼓の雷鳴が轟き始める。

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まさに雷雨の中を疾走しているような感覚。

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バシンバシンというエッジの効いた桶胴太鼓の音が
時折、暗雲に煌めく稲妻を連想させる。

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鳴り止まぬ雷鳴。

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最後は、雨、風、稲妻、雷鳴が渦巻いて
大雷雨となって曲了。
これも、響岳太鼓ならではの疾走感を持った曲で
何度聴いても素晴らしい。
【後編】に続く
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