セミの羽化を撮る ー 2

自宅にて

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今回も、
セミの羽化に関する
リアルな記録です。

また、前回(ヒグラシ)に比べて
さらに真に迫った昆虫写真となっていますので、
虫嫌いの方は厳に閲覧をご遠慮ください。

しかしながら、
前回よりもさらに美しく、
さらに克明に撮れていると
毎度手前味噌ながら思います。










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今年もまた、
セミの羽化する季節がやってきた。

庭の桜の枝には日を追うごとに
セミの抜け殻が
一つまた一つと増えていく。

前回、手探りで挑戦したセミの羽化撮影。
撮るには撮ったが
心残りも沢山あった。

なんとしても、再挑戦したい。

夕刻、庭に出てみると
まさに今、桜の幹を登り始めた
セミの幼虫を発見。

手持ちの桜の枝へそっと移し、
自宅へと招き入れた。



20時24分。

ノソノソと枝を登り続ける幼虫が
枝の先端で動きを止める。

枝からかすかに
ガリガリという音。
歩くときとは違う力の入れ方。
思い切り枝に爪を立てている。

羽化に向け、
身体をしっかりと枝に固定しようとしている。

羽化する場所を探すセミの幼虫
羽化に向け身体を固定するセミの幼虫

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21時02分。

幼虫が全身に力を入れて
背中をぐっと丸める。

このポーズで、
殻を破るための内圧を生み出す。

羽化直前のセミの幼虫
羽化直前のセミの幼虫

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21時07分。

人間でいうとちょうど肩甲骨の間の部分に
縦一文字に切れ込みが入る。

羽化の始まり。

セミの羽化開始
セミの羽化開始

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22時08分。

背中の切れ込みはみるみる拡大。
セミの背中が見えてくる。

セミの羽化(開始から1分経過)
羽化開始から1分

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21時09分。

切れ込みが
眼の間まで広がる。

セミの羽化(開始から2分経過)
羽化開始から2分

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21時13分。

切れ込みを押し広げるようにして
成虫の背中がゆっくりと現れる。

セミの羽化(開始から6分経過)
羽化開始から6分

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21時17分。

羽化中のセミ特有の
美しいヒスイ色。

セミの羽化(開始から10分経過)
羽化開始から10分

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セミの羽化(開始から12分経過)
羽化開始から12分

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21時19分。

頭部が抜け出る。

セミの羽化(開始から12分経過)
羽化開始から12分

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21時20分。

頭部が抜け出ると、
次に脚の引き抜きにかかる。

セミの羽化(開始から13分経過)
羽化開始から13分

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21時22分。

のけぞるようにして
脚を殻から引き抜いていく。
殻とは尾部で固定されているので
落ちてしまうことはない。

セミの羽化(開始から15分経過)
羽化開始から15分

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21時23分。

セミの羽化(開始から16分経過)
羽化開始から16分

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21時24分。

小さく折りたたまれた羽が現れる。
羽の青色は
甲殻類や昆虫に特有の青色血液色素
「ヘモシアニン」だと思われる。

動物の血液色素「ヘモグロビン」は鉄由来の赤色、
「ヘモシアニン」は銅由来の青色をしている。

セミの羽化(開始から17分経過)
羽化開始から17分

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21時27分。

前肢が抜け出る。

セミの羽化(開始から20分経過)
羽化開始から20分

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21時28分。

頭部から腹部にかけて真っすぐ伸びるのは
「口吻(こうふん)」。

この長い口吻を樹皮に突き立てて、
さらにその内側の針を樹皮に刺し入れて
セミは樹液を吸う。

時間が経つと口吻は不透明になってしまうので、
内側の針を見ることができるのは
この羽化の時だけ。

セミの羽化(開始から21分経過)
羽化開始から21分

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21時29分。

セミの羽化(開始から22分経過)
羽化開始から22分

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21時33分。

セミの羽化(開始から26分経過)
羽化開始から26分

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21時35分。

セミの羽化(開始から28分経過)
羽化開始から28分

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21時46分。

全ての肢を殻から抜き出すと、
セミはのけぞった体勢のまま動きを止める。

おそらく、
脱皮直後で柔らかい肢の
強度が増すのを待っているものと思われる。

セミの羽化(開始から39分経過)
羽化開始から39分

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21時51分。

腹筋運動の要領で
ゆっくりと上体を起こし始める。

セミの羽化(開始から44分経過)
羽化開始から44分

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21時52分。

セミの羽化(開始から45分経過)
羽化開始から45分

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21時53分。

セミの羽化(開始から46分経過)
羽化開始から46分

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前肢で殻をつかむ。

セミの羽化(開始から46分経過)
羽化開始から46分

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前肢で殻につかまると、
すぐに尾部の引き抜きにかかる。

セミの羽化(開始から47分経過)
羽化開始から47分

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21時54分。

殻から全身が離脱。

セミの羽化(開始から47分経過)
羽化開始から47分

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ぶら下がりの体勢になると、
即座に羽の伸張を開始。

羽の筋「翅脈(しみゃく)」に
体液を送り込んで
畳まれていた羽を展開していく。

セミの羽化(開始から47分経過)
羽化開始から47分

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21時55分。

セミの羽化(開始から48分経過)
羽化開始から48分

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21時57分。

セミの羽化(開始から50分経過)
羽化開始から50分

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21時58分。

セミの羽化(開始から51分経過)
羽化開始から51分

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21時59分。

セミの羽化(開始から52分経過)
羽化開始から52分

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22時00分。

セミの羽化(開始から53分経過)
羽化開始から53分

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22時01分。

羽がほぼ伸びきる。

伸張開始から6分あまり。
想像以上の速さだ。

セミの羽化(開始から54分経過)
羽化開始から54分

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22時03分。

セミの羽化(開始から56分経過)
羽化開始から56分

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22時06分。

乳白色だった羽の透明感が増してくる。
と同時に、
羽にうっすらと模様が浮き出てくる。

セミの羽化(開始から59分経過)
羽化開始から59分

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22時08分。
前肢で殻につかまり、
中肢、後肢は宙に泳がせている。

細い肢の強度確保の一環だろう。

セミの羽化(開始から61分経過)
羽化開始から61分

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22時13分。

やや横から見ると、
普通のセミと羽の角度が違う。

セミの羽化(開始から66分経過)
羽化開始から66分

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22時14分。

セミの羽化(開始から67分経過)
羽化開始から67分

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22時22分。
羽が定位置に収まる。

先程まで羽を反らしていたのは
伸張のための特別ポーズだったらしい。

セミの羽化(開始から75分経過)
羽化開始から75分

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22時23分。
羽に特有のまだら模様が浮き出てきている。

どうやら
アブラゼミのようだ。

セミの羽化(開始から76分経過)
羽化開始から76分

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22時26分。
殻につかまっていたセミが
突然枝先に移動する。

その直後、
抜け殻が落下。

どうやら殻の固定が甘くなっていたのを
鋭く感じ取ったらしい。

咄嗟の回避行動で
なんとか落下を免れた。

セミの羽化(開始から79分経過)
羽化開始から79分

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22時27分。

セミの羽化(開始から80分経過)
羽化開始から80分

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22時28分。

刻一刻と
全身の色がはっきりとしてくる。

セミの羽化(開始から81分経過)
羽化開始から81分

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22時38分。

セミの羽化(開始から91分経過)
羽化開始から91分

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22時39分。

セミの羽化(開始から92分経過)
羽化開始から92分

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22時54分。

セミの羽化(開始から107分経過)
羽化開始から107分

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23時18分。

20分あまりで、
ここまで劇的に体色が変化する。

セミの羽化(開始から131分経過)
羽化開始から131分

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23時28分。

セミの羽化(開始から141分経過)
羽化開始から141分

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23時56分。

成虫の体色にほぼ近づいた。

セミの羽化(開始から169分経過)
羽化開始から169分

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24時36分。

セミの羽化(開始から209分経過)
羽化開始から209分

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両眼の間にあるレンズ状の器官は「単眼」。
黒い方の「複眼」が「物を見る眼」だとすれば、
この「単眼」は「光を感じる眼」だと言われている。

セミの眉間に輝く、美しい紫色の宝珠。

セミの羽化(開始から212分経過)
羽化開始から212分

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24時45分。

正面から。

セミの羽化(開始から218分経過)
羽化開始から218分

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羽を透過光で撮影。

この複雑で美しいデザイン。
誰がどうやって考え出したのだろうか。

セミの羽化(開始から219分経過)
羽化開始から219分

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24時48分。

成虫らしい姿になったアブラゼミ。
あとは明るくなるまでに、
身体の強度が高まるのをじっと待つのみ。

セミの羽化(開始から221分経過)
羽化開始から221分


撮影はこれにて終了。

屋外の、鳥に見つからない場所へ
枝ごとそっと移動させた。

翌朝、見に行くと
セミはまだそこにいた。

私が近づくのを察知したのか
枝からパッと飛び立ち、
そのまま桜の木に向かって羽ばたいていった。

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さらば、
美しいアブラゼミよ。



撮影機材

・EOS5D Mark IV
・EF100mm F2.8L Macro IS USM
・ストロボ + ワイヤレストランスミッター
・ソフトボックス

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