新潟県上越市 日本海の海辺
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ずっと見てみたかったもの。
それは、冬の荒れ狂う海。
急速に低気圧が発達したこの日、
特別なものが見られるような気がして
日本海沿岸へと車を走らせた。
するとそこには、
今まで見たことのない海が広がっていた。
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轟々と逆巻く波。
次から次へと押し寄せる。

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水平線の彼方まで
大波で埋め尽くされている。

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耳元で風がぎゅるぎゅると唸る。
波の轟きは幾重にも重なって
地を揺るがすような響きに包まれる。
白く砕けた波の谷間を
カモメたちが木の葉のように
激しい風に引きずられながら飛んでいく。

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砂浜に打ち寄せられた「波の花」。
時折、風にちぎれて舞い上がる。

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黒い海の向こうに
火力発電所が見えた。
そこだけ太陽に照らされて、
幻のように映る。

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突然、厚い雲が切れて、
陽の光が差してきたと思えば
いきなり大粒の雨が
叩きつけてくる。
なんなんだこの天気は。
これが冬の日本海なのか。

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海岸線を眼で辿っていくと
遥か彼方に、
波に抗う防波堤が見えた。
巨大な波柱が上がっている。

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近くまで行ってみる。
防波堤が、
大波と闘っていた。

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防波堤は確かにそこに止まってはいるが、
次々と向かってくる大波のせいで
まるで荒海に乗り出していく戦艦のようだ。

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波は防波堤に激突して
波柱になって吹き上がり、

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強い海風に引きちぎられて
白い霧に変わる。

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崩れた波柱は
防波堤の上から激しい滝となって
海へと流れ下る。

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たまに、とんでもない大波が
やってくることがある。
防波堤で行く手を阻まれた大波は
その運動エネルギーを
空に向かって解放する。

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どかーんという爆発音とともに
4、5階建のビルくらいありそうな
巨大な波柱が吹き上がる。

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空に聳え立った波柱は
砕けながら
白い怪物みたいになって
空から防波堤に襲いかかる。

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その凄まじいパワーに
足がすくむ。
恐ろしいとしか
表現のしようがない。
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防波堤の内側。

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この日、どうして防波堤が必要なのかを
はっきり理解した。

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防波堤の向こうから
せり上がる日本海色のカーテン。

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波の砕けた飛沫が
塊になって港の中を駆け抜ける。

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堤防から200メートルは離れているのに、
次々と全身に冷たい海水を浴びせかけられる。
服も機材も、海水まみれになった。

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誰もいない漁港に
風と波の音だけが響く。

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鈍色の空が
どこまでも続く。

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風力発電のプロペラが
信じられない速さで回っている。

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沖合いに
暗い虹が出ていた。
世界にまだ色があったことを
思い出す。

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荒涼とした景色の中に
一人立っていると
自分の心の所在が揺らいでくる。

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荒れ狂う冬の日本海は
恐ろしく、美しい。
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撮影後記
念願だった冬の荒海を 見に行ってきました。
とにかく恐ろしかったです。
地元の人に言わせれば、こんなの荒れてるうちに入らないのかもしれませんが、山国で生まれ育った私を畏怖させるには充分すぎるほどの巨大波でした。
とはいえ、海水まみれになった機材の掃除が一番恐ろしかったというのが話の核心です。
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球わかばさんこんにちは エッサといいます
大迫力の写真拝見しました 小生 新潟の出身故 冬の日本海を想い出し 感動でした
お願いがあります 小生ameblo
Armchair Journey(机上日本一周)https://ameblo.jp/essa564239/で今日は北海道上ノ国町に行きました(ということになっています) 写真1葉ぜひお借りしたいのです クレジットとURLは明記します upは5/25 6.00の予定です
よろしくお願いいたします
エッサさん
はじめまして。コメントありがとうございました。
写真の件ですが、どうぞお使いください。
私は海なし県の出身ですが、新潟の海は子供の頃からよく通っており、かけがえのない場所です。
特に私は、写真を撮るようになってからとても身近な存在になりました。
冬の日本海はとても恐ろしい光景ですが、また見に行きたくなる魔力のようなものを感じます。。
ブログの更新楽しみにしております。