平田謙三 平田浩一 氷彫刻『龍』【5】

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製作終了まで
残り1時間。


各チームともに
総仕上げに入る。



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気温は下がり続け、
氷点下5度。

工具や服に降りかかった砕氷も
解けずにそのまま凍りつく。

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氷の龍に
炎を当てる。

ガスバーナーを使った表面処理(平田謙三・平田浩一・氷彫刻『龍』)

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氷の龍に
湯を浴びせる。

お湯を使った表面処理(平田謙三・平田浩一・氷彫刻『龍』)

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瞬間的な熱のせめぎ合いによって、
龍の肌は融け、再氷結し、
いよいよ、神秘的な光を帯び始める。

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仕上げの終盤、
浩一さんが龍の首の下に
ノミを入れている。

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逆鱗(げきりん)。
龍の下あごに
たった1枚だけ逆向きに生えているウロコ。
龍はこの逆鱗に触れられると怒り狂うという。
「逆鱗に触れる」
の語源である。

もしかすると、浩一さんは
龍製作の最後に、この逆鱗を彫り入れたのではないか。

より完全なる『龍』へ。

見えない場所だけに、
その真相はわからないが、
この龍を見れば見るほど、
そう思えて仕方がない。

いつか機会があったら、
尋ねてみたいところだ。


午前5時50分。
『龍』完成。

氷彫刻『龍』完成(平田謙三・平田浩一・氷彫刻『龍』)

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龍が抱えていたのは
宝珠ではなかった。

網目状の球体の中に
納められていたもの、
それは、
「龍の胎児〈タツノオトシゴ)」
であった。

球体は、
龍の卵なのだった。

宝珠のズームアップ(平田謙三・平田浩一・氷彫刻『龍』)

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氷彫を極めんとする親子が
力を合わせて
龍の親子を彫る。

そこに込められた想いを
感じずにはいられない。



~ 【6】に続く ~


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