平田浩一 加瀬秀雄 氷彫刻 『飛翔 ~大空に羽たく鳳凰~』【2】

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午後7時50分。

平田さんが大きな氷の前に
別の小さな氷を積み上げ始める。

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そこに設計図を見ながら、
ノミで筋彫りを施していく。

平田さんの設計図は
今回も恐ろしいほど緻密に描かれているのが
ファインダー越しに見てもよく分かる。

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氷の上に数回ノミを走らせると、
そこには滑らかな曲線が何本か刻まれる。

だが、これが設計図のどこに該当する曲線なのかは
皆目見当がつかない。

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筋彫りの溝をドリルの刃でなぞり、深くしていく。

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溝に沿って
チェーンソーで切断。

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平ノミで大まかな形を出す。

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氷に向き合っている平田さんの
眼光がひときわ鋭くなる瞬間がある。

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全神経を手先に集中する。

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鳥の頭だ。

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ここで、頭部の向きを変えて、
土台に再接合する。

加瀬さんがサポートに入り
接着までの間、頭部を支える。

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しかし、やはりなかなか接着してくれない。

頭部を支える加瀬さんのゴム手袋からは
氷が解けた水が滴り落ちる。

手袋越しとはいえ、確実に氷の冷気は手に伝わっているはずだ。
しかし、ここで動くわけにはいかない。

加瀬さんは懸命に支え続ける。

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ようやく頭部の再接着が完了。

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平田さんは別の筋彫りにとりかかる。

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現れてきたのは、もう一つの頭。

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出来上がった頭部は土台から取り外され、
どこかに運ばれていった。

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再び、
最初の頭部と、土台部分の加工にとりかかる。

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チェーンソーの刃先を使って
氷を薄く削る。

スコップで耳かきをするような荒技に思えるが、
平田さんにとってチェーンソーは
れっきとした精密加工用の道具なのである。

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一方、加瀬さんは
大きな氷と氷との隙間にうずくまって
黙々と氷を切り分けている。

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間もなく製作開始から3時間が経過。
客足も徐々に減ってきている。

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工程はまだまだ序盤戦に過ぎない。

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~ 【3】に続く ~

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