平田浩一 加瀬秀雄 氷彫刻 『飛翔 ~大空に羽たく鳳凰~』【7】

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ほんの数時間前までは
月夜だった。

すでに空はかき曇り、
月の光に取って代わって
湿り気を帯びた雪が
次々と落ちてくる。

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だが、
雪ごときに手を止めているわけにはいかない。
作業は淡々と続けられる。


午前3時30分、
下の鳳凰の左翼を取り付け。

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午前3時40分、
右翼の取り付け。

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直ちに羽根の彫り込みが始まる。

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翼を透かして見る
羽根の彫り込み。

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翼の上面を
グラインダーで滑らかに整える。
頭から細氷をかぶっての作業だ。

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午前4時23分。

2体の鳳凰の
羽根の彫り込みが完了した。

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翼の彫り込みという大スペクタクルの陰で
加瀬さんは地道な戦いを続けている。

鳳凰の尾の先端を
限りある氷からミリ単位で切り出す。

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それを所定の位置に接着していく。
風に乱れ舞う尾は数多い。
根気のいる作業だ。

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加瀬さんが接着した氷の小片を
平田さんが造形していく。

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タイムリミットまで
2時間を切ろうとしている。

作業の終わりは
まだ、見えてこない。


~ 【8】につづく ~

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