平田浩一 中寺吉宣 氷彫刻 ”ファミリー”【6】

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22時30分。

月齢7の月が西の空に浮かぶ。

客足は絶えない。

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22時40分。
2度めの残氷回収が入る。

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中寺さんが自分の作業の合間を縫って
作業場に溜まった氷屑を片付ける。

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平田さんは、
大中のタツノオトシゴの
下半身部分の彫刻を進めている。

「大小」ではなく「大中」としたのは、
今はまだ登場していないが、
この他にもタツノオトシゴがいるからなのだ。

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元々ひとつの大きな氷だったものから、
タツノオトシゴの身体がじわじわ現れてくる。
タツノオトシゴの形と相まって、
まるで岩盤の中から化石を発掘しているような光景だ。

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最初は筋目を付ける場所を
三角ノミで目印を付ける程度に削り、
その目印を基準にして彫りを深くしていく。

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毎度のことながら、
この生物的曲面は
平田さんの頭の中に刻み込まれている。
絵を見るでもなく、
迷わずこの複雑な立体が再現されていく。
何度見ても驚く。

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棒グラインダーで
さらに生物的な丸みを出していく。

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23時07分。

タツノオトシゴ(大)が彫り上がる。

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続いてタツノオトシゴ(中)。

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横から見ると、
本当に化石発掘にしか見えない。

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23時。
制作は折り返し地点を迎える。

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10年前に比べて
深夜時間帯の観客が圧倒的に増えた。
素晴らしいことだ。

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月が梢の向こうに沈んでいく。
冷え込んできている。

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【7】に続く

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