平田浩一 近藤卓 氷彫刻 『ペガサスの親子』【3】

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時計の針は20時を回った。
会場は相変わらず多くの観客で賑わう。

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平田さんは氷の一箇所のみを彫り続けることはなく、
各所に少しずつ手を入れていく。
特定の場所にこだわり過ぎて
「木を見て森を見ず」の状態になってしまうと、
全体としてのバランスを保てなくなってしまうからだろう。

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馬の胴体部分にディスクグラインダーをかけ、
曲面を出していく。

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20時30分過ぎ、
1回めの残氷回収が入る。

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彫刻を制作していく過程で出た氷の削り屑や端材が
会場スタッフにより回収されていく。
全19チームの残氷は相当な量になる。
全力で氷を彫る選手たちを、会場スタッフもまた全力で支援しているのだ。

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20時40分。
近藤さんがあらかじめ切り出した細長い氷を
平田さんが削っている。

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小さなノミでさらに彫り込む。

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細長い氷の塊は
瞬く間に馬の脚へと変貌。

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馬の胸部に温めたアルミ板を当てる。
氷を接着するため、
接合面を平滑にするための作業だ。

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彫り終えた脚の接合面も同様にする。

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位置合わせ。
近藤さんが脚を支え、
接着すべき箇所にあてがう。

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平田さんは設計図と照らし合わせながら
最適な位置を探る。

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位置が決まったら、
氷同士を密着させて、その隙間へ水を流し込む。
氷の隙間を満たした水はすぐさま凍って
氷同士が接着される。

今回は、気温がかなり低いことで氷のコンディションが良く、
接着までの時間が特に短い。
氷彫刻制作において、
外気温は作業効率を左右する重要な要素になる。




さらに、氷の継ぎ目にシャーベット状の氷(通称「雪」)を塗布。
いわゆる「氷のパテ」による補強だ。

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そこへさらに、コールドスプレーをかけ急冷。
2つの氷は、完全にひとつになる。

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右前脚の接着が完了。
平田さんが脚を削り出してから
わずか15分あまりの出来事だった。

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間髪を入れず、左前脚の削り出しにかかる。

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そして、接着。

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21時05分。
前脚の接着が完了した。
30分の間に、作品は劇的な変化を遂げる。

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前脚の継ぎ目には
砕いたドライアイスが載せられる。
斜めに接着された前脚の根元には足の重さが集中する。
-78℃のドライアイスによって接着箇所を極低温に保つことで、
氷の強度を確保するというリスクマネジメントだ。

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平田さんがドリルでひと撫でするごとに
よりリアルな馬へと近づいていく。

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制作開始から4時間が経過。

温度計の表面には
霜が降り始めている。

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【4】に続く

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