平田浩一 近藤卓 氷彫刻 『ペガサスの親子』【8】

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1時20分。

平田さんが小さい馬の背中に氷の板を押し当てる。

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さらに小さな氷で延長。

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横方向にも延長。

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チェーンソーで斜めに削っていく。
これは、間違いなく翼だろう。
「子ペガサス」だ。

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さらに斜め上に翼の下地を延長させる。

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1時33分。

子ペガサスの左翼の下地を
組み上げ完了。

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近藤さんは台座の彫刻を続行。

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平田さんは親ペガサスの尻尾を調整中。

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1時43分。

平田さんが細長い氷を手にする。

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親ペガサスの胴体後部へ接着。

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しかし、うまく接着されない。
アルミ板で接合面を何度も処理するが、
やはりしっかりと固定されない。


制作終了後、平田さんにこの時の状況を聞いたところ、
接合面の処理に問題があった、とのことだった。

接合面の処理は氷にアルミ板を押し当てて行うが、
アルミ板を均等な力で押し当てているつもりでも、
わずかに力加減が狂ったりすると、
接合面が完全な平面ではなくなってしまうらしい。

すると、2つの氷は密着せず、
水を流し込んでも接合面全体に行き渡らず、
結果として、氷同士を接着できなくなってしまうそうだ。

この親ペガサスの左後脚は
まさにそういう状況に陥っていた。

オーバーハングした接合面に
重く大きな氷をぶら下げる形で接着する。
ただでさえ接合面にかかる負担は大きい。

ここで、平田さんは打開策に出た。

左後脚を2つに分割、そして接着。

すると、無事に接着。

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氷彫刻の利点は、
十分に冷えた環境であれば、いくらでも分割と再接合ができることだ。
手数は増えて時間はかかるが、致命的なリスクを回避できる。

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1時47分。

左後脚が無事に接着された。

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あれほど接着に苦労した後脚も、
いざ接着し終わると、みるみる堅固になる。
平田さんはすぐに彫刻を始める。

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ゴツゴツした氷の柱が
みるみるリアルな馬の脚に変化していく。

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右後脚の接着。

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今回は分割せずに、
ダイレクトな接着が成功した。

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近藤さんは台座部分の表面仕上げに入る。

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2時を回った。
制作終了まで残り3時間。

平田さんは小ペガサス左翼の羽根彫りを開始。

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2時20分。
子ペガサス右翼の下地を接着。

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この松本の大会は、作品の背後が城のお堀、
つまり観客からは見えない立地となっている。
だから、作品には自ずと「表裏」が生まれる。

作り方によっては、「表」のみを彫刻して「裏」は手付かず、
というやり方もできるのだが、
平田さんの場合、作品を立体的に作るので、
本来「裏」である部分も観客から見えてしまう。

だから、必然的に作品の裏側も彫刻することになるのだ。

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台座の曲線を調整。

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2時34分。

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子ペガサスの右後脚を接着。

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2時45分。
すぐに子ペガサスの左後脚を削り出す。

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2時49分、
接着。

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ペガサス1頭だけでも手数が多いのに
大小2頭のペガサスの表裏を作るというのは、
どれほどのことか容易に想像がつく。

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子ペガサスの翼に生えた羽根も
親ペガサスと同様に
一枚一枚を丁寧に彫り込む。

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もはや執念としか
言いようがない。

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3時30分。

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制作終了が刻一刻と近づいてくる。


【9】に続く

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