平田浩一 加瀬秀雄 氷彫刻 『Crystal Fairy』【8】

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2:00

気温はマイナス4度。

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ペットボトルの水
(アミノバリュー入り)も
ついに凍り始めた。

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カメラザックの上にも
霜が降りる。
未明特有の冷気が増している。

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深夜の冷え込みは身体に応えるが
氷彫刻にとっては
恵みの寒さだ。


平田さんは
台座部分の加工を続ける。

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加瀬さんは、
羽の辺縁部を制作する。

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2:26

羽の接合作業が
再開される。

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右羽の付け根部分を接合。

大きく広がった羽全体の荷重を
この部分で全て受け止めるため、
接合には万全を期さなければならない。

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2:34

付け根部分の接合が完了。

左羽は制作の早い段階で組み上げたが
この右羽がここまで手付かずだったのはなぜだろうか。

今回の大会は
過去最高の18チームが参加し、
制作場所がいつになく手狭だ。
自分たちの彫刻のすぐ隣に
重なり合うようにして
他のチームの作品が迫っている。

ゆえに
作業場の中を動き回る時、
彫刻のすぐ近くを通ることを余儀なくされる。

あまつさえ今回は
薄い羽を広げた、極めて繊細な彫刻だ。
もしも移動の際、身体が
羽にぶつかってしまったらどうなるか。

つまり、
一見して不可解なこの制作順序も
平田さん流のリスクマネジメントだったのだ。

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辺縁部の
小さな部品を接合。

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2:41

右羽上辺部の接合。

前に接合した羽の根本に重さがかかる。

果たして荷重に耐えることができるか、
緊張の一瞬。

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無事、接合が完了。

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そこにさらに辺縁の部品を接合していく。

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2:53

ハプニング発生。

いま付けたばかりの部品が
落下してしまった。

パシンという
氷が砕ける音が
かすかに響く。

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小さな部品とはいえ
氷なので相応の重量がある。

しかし、薄い羽の断面は
その重さを支えるのにギリギリの大きさだ。

コールドスプレーで周りから固めたものの
接合面内部の氷結が十分ではなく
強度が出ていなかった。

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幸いにも
落下の仕方は良かった。

部品が粉々になってしまうという
最悪の事態は回避された。

(一部トリミング)

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すぐに、応急処置を施す。

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ドライアイスで接合面の温度を下げて
接着力を高めた上で
再度、接合を試みる。

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今度は上手くいった。

しかし、割れてしまった部分については
別に接合し直さなくてはならなくなった。

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明らかに
接合の作業に
時間を取られている。

時計はすでに
午前3時。

いつもであれば、
完成形が見えている頃だが、
今回は通常と全く手順が違っており、
作業の終着点がいまだ見えてこない。

時間内に
完成にこぎつけることはできるのか。


― 【9】に続く ―

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