加瀬秀雄 赤羽目健悟 氷彫刻『さあ出発!!海の中の新しい仲間と共に』【3】

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加瀬秀雄(かせ ひでお)さん

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東京都千代田区所在の私学会館「アルカディア市ヶ谷」の
和食レストラン料理長。

ホテルニューオータニで開かれた職場の宴会で
平田浩一さんが彫った氷彫刻と出会い感銘を受け、
その日、浩一さんから直々に誘いを受けたことで、
氷彫刻の世界に足を踏み入れる。

2016年、念願だった浩一さんとのタッグが実現。
松本での『飛翔 ~大空に羽たく鳳凰~』で金賞受賞。
それに続く旭川の氷彫刻世界大会団体戦でも
浩一さんとともに最優秀賞を受賞し、
総理大臣杯を手にしている。

その見事な働きぶりと人柄については
このブログの過去記事をぜひ参照いただきたい。

平田流氷彫刻の技を吸収しつつ
今、団体戦や個人戦でめきめきと力をつけている注目の人。

 

赤羽目健悟(あかばめ けんご)さん

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帝国ホテル勤務。

故・平田謙三さん直々の抜擢で
パティシエ(ショコラティエ)から氷彫刻師へ転身。
帝国ホテル氷彫刻部門の正統後継者。

初めて彼を見た時、
「若い!」と思った。
浩一さんの「若いの」という表現から、
浩一さんよりも少し若いくらいの年齢を想像していたのだが、
字面のとおり本当に若々しい。

聞けば赤羽目さんは33歳。
「駆け出しの氷彫刻師」という言葉が似合いそうなフレッシュさがある。
だがこのあと、彼の技を目の当たりにするごとに、
そういう先入観が音を立てて崩れ去ることになる。

そのあたりについては、
この後、じっくりとご覧いただきたい。




19時23分。

加瀬さんが「型紙」を取り出す。
目指すべき造形を二次元に落とし込んだ、
原寸大の設計図だ。

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型紙を濡らして、
氷塊に貼り付ける。

貼り付けた型紙に沿って彫っていくことで
筋彫りの工程を省略することができる。

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しかし、ここで問題が発生した。
型紙がうまく貼りつかない。

気温が高すぎる。

十分に寒い環境であれば、
濡らして貼り付けた型紙はすぐに氷の表面に凍りつく。
しかし、現在の気温は摂氏2.8度。
氷自体が蓄えている冷気でも、型紙を凍らせるには及ばない。
貼り付けた型紙は端から剥がれてしまう。

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赤羽目さんも型紙貼りを何回か試みるが、
やはり、うまくいかない。

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赤羽目さんは
一度貼り付けた型紙を剥がして、
型紙の画を横目で見ながら
三角ノミで氷をなぞり始めた。

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「筋彫り」である。

型紙と違い、氷の表面が溶けていても使える技法である反面、
図面から正確に写し取るデッサン力と手間が求められる。

急な作戦変更で、
赤羽目さんも筋彫りに苦戦するのかと思いきや、
まるで想定内という感じで、ノミを扱う手さばきに迷いがない。
外見相応の初々しい手つきを想像していただけに、驚く。

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同じく加瀬さんも、
型紙を確認しながら、
筋彫りを始めている。
加瀬さんも慣れた手つきだ。

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12時間の製作時間は、長いようでいて意外なほど短い。
特定のやり方に固執していると、
大幅にタイムロスすることもあり得る。

状況に応じて臨機応変に戦略を変えていくのも、
氷彫刻を完成させるための重要なポイントだ。
無論、戦略に応じた技術が身についているかどうかも
戦いの明暗を分ける要因となる。

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作戦の変更は功を奏し、
間もなく筋彫りが完了。

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19時47分。

筋彫り後の氷塊を前にして
進捗状況を確認する二人。

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いよいよこれから、
彫刻作業に入っていく。



【4】に続く

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