加瀬秀雄 赤羽目健悟 氷彫刻『さあ出発!!海の中の新しい仲間と共に』【5】

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20時48分。

隣チームの組み上げ作業で応援要請。
急遽サポートに入る。

彫り上げたパーツは時として
大人2人では持ち上げられない重さとなる。
そういう時は「お互い様の精神」で
すぐに他チームから手が差し伸べられる。

いつ見ても、気持ちのいい光景だと思う。

チーム同士は互いにライバルであると同時に
同じ頂を目指して進む戦友でもある。

氷彫刻関係者の間に流れる
どことなく円満で楽しげな雰囲気は
この辺に端を発しているような気がする。

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加瀬さんの彫っている氷塊は
明らかにそれと分かる形になってきた。

ウミガメだ。

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設計図を見ながら、
甲羅の模様を彫り込んでいく。

現場を通りかかる人から
「おお亀だ、すげー!」
という声が上がり始める。

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ドリルや平ノミでさらに甲羅に起伏を付けていく。

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ヒレに爬虫類特有のウロコ模様を彫り込む。

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21時18分。

どこからどう見てもウミガメである。

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一方その頃、赤羽目さんは
平ノミで複雑な形を彫り込んでいる。

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見えてきたのは
逆立ちした人間のシルエットだ。

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棒グラインダーで表面に丸みを出していく。

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このグラインダー工程に入ると
細かな砕氷がこれでもかというくらい吹き上がって
これぞ氷彫製作、という光景になる。

撮っているカメラマンも皆テンションが上って
シャッター音の大合唱になってくる。

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その上、赤羽目さんは
フードも被らずガンガン削る。
どこからでも掛ってこいと言わんばかりの
パワー系彫刻作業。
カメラマンにとっては「見せ場」の連続だ。

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作業を終えると、やはりこのとおり。
頭の5合目から上は、
完全な冠雪状態となってしまう。

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しかし、本人は全く意に介していないようで、
淡々と作業を進める。

ワイルドなのである。

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21時17分。

気温は摂氏0.7度。
冷えてきてはいるが、
まだ氷点下ではない。

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製作現場の正面、飲食ブースの隅に
氷のテーブルが作られ、
ロウソクの灯りでライティングされている。

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テーブルの上には、
氷を裏側から彫り込んで着色した「フローラルアイス」。

この氷花を試行錯誤の末、
咲かせることに初めて成功したのは
今はなき謙三さんその人だった。

謙三さんの編み出したこの技は皆に受け継がれ、
今、様々な氷彫刻に華を添える存在となった。

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この氷花を見ると
在りし日の謙三さんを思い出す。

テーブルの上の花々は
謙三さんへ手向ける花でもあるのだろう。




【6】に続く

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