加瀬秀雄 赤羽目健悟 氷彫刻『さあ出発!!海の中の新しい仲間と共に』【8】

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作業は続く。


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加瀬さんは
小さなパーツ作りに入った。
作業開始当初は気温が高すぎて使えなかった
型紙がしっかり機能するようになっている。
気温が下がってきているということだ。

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赤羽目さんも同じく、
小さなパーツの製作を始めている。

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0時。

日付が変わる。

今年の大会からは
夜通しで飲食ブースが営業しており、
客足も途絶えることがない。

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地面に落ちた削り屑の様子が変わる。
解けて周りに丸い水染みが広がることなく、
粉っぽい状態のまま積もっていく。
ようやく気温が氷点下に達した証拠だ。

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0時09分。

ダイバーの左手を接着。

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0時17分。

右手を接着。

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赤羽目さんが手にしているのは
紙に包んだドライアイス。

接着の前にドライアイスで氷を冷却して
接着力を増すための作業だ。

氷に直接ドライアイスを接触させると
ドライアイスが氷に貼り付いたり
接着面が荒れてしまうおそれがある。
紙でドライアイスを包んで冷やすことで
そういうリスクを回避している。

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ドライアイスで冷やした箇所に
ウミガメの左前ヒレを接着。
なるほど、薄くて接着面の小さいパーツなので
ドライアイスでの冷却は必須だ。

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右前ヒレの接着面も同様に冷却。

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0時30分。

右前ヒレを接着。

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下向きのパーツなので、
接着面をコールドスプレーでさらに急冷し、
確実に固着させる。

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製作開始から7時間が経過。

働き詰めの身体に、疲労がのしかかってくる。
だが、作業は続く。

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0時50分。

加瀬さんは小さいパーツの彫刻、
赤羽目さんは
ダイバーの台座部分の彫刻に取り掛かっている。

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加瀬さんが削り出したパーツに
チェーンソーの刃を入れている。

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厚めに作ったパーツに均等に3箇所切れ込みを入れ、
いわゆる「三枚おろし」にする。
同じ形の氷板が3枚できあがる。

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この「三枚おろし」テクニックは、
昨年、加瀬さんが平田さんと作った「CrystalFairy」で
妖精の羽を製作した時に使った技だ。

平面形で同じ形をしたパーツを大量生産する時に
この技は絶大な威力を発揮する。

昨年の大会で身につけたテクニックを
今年、加瀬さんはそれを有効に駆使し、さらに技を進化させている。

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そして、3枚の氷板をそれぞれ加工していく。

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赤羽目さんは、
ダイバーの氷塊にノミを入れ
形を整えていく。

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ノミを一振りするごとに
造形が鮮鋭になっていく。

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1時。

気温マイナス0.9度。

前半戦に比べて、この時間帯に入ると
彫刻は大きく変化しない。
少しずつ少しずつ、完成に向かって
氷は姿を変えていく。

作り手にとって
精神的にも体力的にも
忍耐を要する時間帯なのだ。

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【9】に続く

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