蓮記2013 ― 中島蓮池のハスとアマガエル【前編】

長野県北安曇郡池田町 中島蓮池

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ハスを見たくて
どんなに各地を駆け回っていたとしても、
ここの蓮池を
放っておくことはできない。

ここのハスやカエルたちは私に
写真を撮ることの楽しさを教えてくれた、
私の写真の源流と呼べる場所のひとつ。

かつては水田一面に生い茂っていたハスも今はもう、
南の隅っこに追いやられるようにして
なんとか生きながらえているにすぎない。

この蓮池と出会った頃の深い森のようなハスはもう
眺めることはできないけれど、
それでもなお、
ハスは大輪の花を夏空に掲げ、
カエルたちは、
緑の季節を謳歌する。

今年もそろそろ、
この夏の彼らの思い出を
綴ろうと思う。





7月14日。

そしてまた
彼らの季節が始まった。

EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM

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年々勢いを増す下草によって
すでに池とは呼べないほどにまでなった蓮池。

ハスの多くは根詰まりを起こし
淘汰されていった。

しかしいまだ
下草の海の中で
健気に蕾をふくらませるハスもある。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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夏の初めの
まだ小さな蓮葉の上に
アマガエルが佇んでいた。

彼らも私と同じく
この蓮池が好きで、
周りの田んぼから集まってきた。

EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM

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逆境に負けず
精一杯の花を開く。

EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM

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いまだ蓮池の南端は
かつての栄華の
面影を残す。

深みを増すハスの樹林の
ところどころに
鮮やかな桃色がのぞき始める。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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気の早いハスが
すでに果托をふくらませていた。
今年の実りの
第1号となるだろう。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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真夏に向かって
アマガエルたちも
いきいきとした顔をしている。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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ハスの蕾の上をいく
アマガエル。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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今日も
快適な寝床を
見つけたようだ。

彼らは夜行性の生き物。

昼間はこうやって
静かな場所を見つけて
寝て過ごす。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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蓮葉の上で水は
生き物のようにうごめき、
鉱物のように透きとおった光を放つ。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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自然界で
水滴が
最も真球に近づく場所。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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朝露が密集した蓮葉の上には
時折、
こんな象形文字が
連なることがある。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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小さな身体で
葉っぱにスタンプを押しながら
朝の散歩を続けよう。

EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM

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意外と知られていないが
彼らは
クライマーだ。

水辺よりも
木登りが好きだ。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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垂直登攀の匠。

いつもは重そうな太鼓腹も
険しい斜面に取りつくための
大切なクライミングギアなのだ。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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高みで一休み。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM

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小さな彼らには
この蓮池は
ジャングルよりも大きく深い。

いつだって大冒険だ。

EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM

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太陽が昇ると
ミツバチたちが
騒ぎ出す。

EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM

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甘い蓮の香に誘われ
次々とやって来る。

EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM

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彼らにとってもまた
幸せな季節が
始まっている。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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大収穫の予感に
彼らの羽音も高まる。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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蓮池は
真夏に向かっている。





8月11日。

朝露の光る蓮池は
もっとも美しい。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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葉っぱの上にも
虹がかかる。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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やがては消えてしまう宝石。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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小さく透明な球体の中に
逆さまの世界を映す。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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日が昇れば
その一粒一粒に
太陽を宿す。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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カエルたちは
そんな光景を
見ているような
見ていないような。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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太陽に透かした
大きな葉っぱには
摩訶不思議な模様が
浮かびあがる。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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カエルたちは
その光景を
見ているような、
見ていないような。

EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM

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夏の蓮池は
こんな美しい時間を
毎朝繰り返している。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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8月17日。
盛夏の蓮池。

EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III

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ハスもカエルたちも
活気に満ちている。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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花弁の一枚一枚まで
ハス特有の撥水性があることに
いつもながら驚く。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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ツルツルと水を弾く
ハスの表面に取りつくのは
おそらく、容易なことではない。
カエルたちの能力も
相当なものだ。

EOS5D Mark III + EF100mm F2.8L Macro IS USM

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広い蓮池の中にあっても
過ごしやすい寝床は
競争率が高かったりする。

EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III

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蕾が自らの葉っぱを貫き
花を咲かせ
やがて実をつけた。

ハスの強靭な生命力も大したものだ。

EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III

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【後編】に続く


 

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