
高価な一眼レフで撮れば、安いコンデジとは別次元の写真が撮れるに違いない。
だが、現実はそう甘くなかった。
撮れる写真はいつまで経ってもどこかパッとしない。でも何が悪いのか分からない。どこを直したらいいのかも分からない。
以前から撮りたかった被写体をひと通り撮り終えてしまうと、いつしかカメラに触れる機会は減っていった。
仕事は相変わらず面白いでも楽でもなく、仕方なく働く毎日。
それでもなんとか前を向いて暮らせていたのは、当時交際していた人との結婚話がゆっくりと前に進んでいたからだった。
こんな冴えない日々も、あと少しの辛抱なのだから。
ある夏の日、なんの前触れもなく、全てが消し飛んだ。
本当ところ、とうの昔に幕は下ろされていた。
私はそのことを知らされずにいただけだった。
事実を知ったとき、全ては不可逆的に終了していた。
誰とも話したくない。
働く気など起きない。
一日中、天井を睨みつけて人生を呪った。
あまりにも打ちひしがれると涙は出ないのだな、とぼんやり思った。
泥の中を這うような日々が始まった。
カメラは、部屋の片隅で埃を被っていた。
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たまさんは、本当に文章も上手だなぁ。
続きを楽しみにしています。
マキさん
本当に本当にご無沙汰しています。
節目なのでいろいろの総括です。
恥ずかしい回顧録ですが、もうすこし続きます。