ハミダシ写真と文 2020年8月

8月2日 プロの所作には理由がある
EOS5D Mark II + EF70-200mm F2.8L IS II USM

 今日、プロの庭師による枝打ち作業をしばし見学した。
 高所作業車の狭いバスケットの上で、チェーンソーを使って、周囲に張り出しすぎた余分な枝を落としていく作業だった。

 私は下の方からその作業を見ていたのだけれど、正直な感想として、とにかくじれったいのだ。

 というのも庭師氏はチェーンソーのエンジンを掛けて、枝を1本落とすとすぐにチェーンソーのエンジンを切って、自分の乗ったバケットを移動させる。
 そして、周囲を確認しながらちょっと移動して、またチェーンソーのエンジンをかけ、枝を1本落とし、すぐにエンジンを切って足元に置き、バケットを少し動かす。
 延々とこれを繰り返す。
 作業は遅々として進まない。

 チェーンソーを持ったまま、ちょっと腕を伸ばせば切り落とせる枝は沢山あった。だが、庭師氏は決してバケットから身を乗り出してチェーンソーを振り回したり、チェーンソーのエンジンをかけたまま足元に置くことをしなかった。
 枝の切り方もそうだ。
 張り出した枝の根元の位置にチェーンソーを入れれば一気に枝を落とせて仕事も捗るのに、と思いきや、庭師氏はそういう枝も一度に切ることはせず、先端から分割するように少しずつ短くしながら枝打ちしていく。

 当初は、なんでもっとてきぱき切らないんだ、と少々苛立ちの混じった気持ちで眺めていたのだが、そういう一見すると非効率にも見える庭師氏の所作が、「高所における安全確保」を最優先とした動きだと気づいた時、私の庭師氏を見る目が一変した。

 庭師氏は、安全確保に関わる動作をことごとくルーチン化し、一切の例外的動きを排除していた。
 要は、自分ルールを適用したら、絶対的に従う。
 全ては、安全のため。
 事情を知らない私のような門外漢からは無駄な動きに見えたとしても、本人にとっては全ての所作が重要な意味を持っていたのだった。

 地上に降りれば陽気なおじさんなのだが、仕事に入ると目つきが変わる。

 私の頭の中の画面が突然暗くなり
 ポーン、
 という音と共に、白抜きの文字列が鮮やかに浮かび上がった気がした。

 


8月1日 8月始まる
EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM

 梅雨明けに向け突き進むのじゃ。

 


 

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