
図らずも写真という精神安定剤を手に入れることに成功した私は、次に「写真をいかに続けていくか」について考えた。
日記を書き出しても、3日でノートを無駄にする性分である。
これまでのように気ままに撮っているだけでは必ずや惰性に流れ、写真を投げ出してしまうことは目に見えていた。
溜息ばかりの毎日に再び逆戻りしないためにも、写真を続ける「理由」がどうしても必要だった。
幸いにも、答えはすぐに見つかった。
私がカメラを持とうと決めたのは、先輩諸氏が一眼レフで撮った写真を自前のブログで公開しているのを見たからだった。
時は2008年。
「ブログ」という言葉が流行語大賞を受賞したのが2005年のことだったから、国内のブログサービスはすでに全盛期を経て円熟期へと向かっていた。
この頃になると、サービスのデータ容量も向上し、多くの画像を掲載できるブログが増えてきていた。
文字主体だったブログから、画像主体の、いわゆる「写真ブログ」が数多く立ち上がり、眼を見張るような写真が沢山公開されるようになっていた。
まだカメラを手にする前、私はそれらのブログを日々眺めては、「いつかこんな写真が撮れるようになれればいいな」と思いを募らせていたのだ。
そんな私が、ブログを始めないという手はなかった。
下手くそな写真でも、ブログという場に出して日々更新というノルマを自分に課せば、写真を続ける原動力になると思った。
様々なブログサービスを検討した結果、当時、最も写真の投稿に強く、すでに多くのカメラマンが集っていたエキサイトブログに決めた。
私の目指すべき先輩カメラマンのブログもそこにあった。
2008年1月23日。
ブログ『よく晴れた雨の日に。』開設。
湿った大雪の降った日。
仕事帰り、ずぶ濡れになりながら急いで撮った何枚かの写真を並べる。
タイトルは「南岸低気圧の日」。
長い長い、写真の日々が始まった。
.