長野県大町市平
ニホンザル(Wikipedia)
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春。
あたらしい命。
母と子の季節。
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いつもは荒々しく
木々の枝をつかむための両腕も今は、
子ザルを優しく包み込むためにある。

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まだ満足に歩くことができない子ザルは
母親の背中や腹につかまって
山の中を移動する。
背中の上では
いつでもキョロキョロ。
見るもの全てが
目新しい。

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道路の溝に僅かに残った融雪剤を舐め
ミネラル補給する母ザル。
子ザルがそれを興味深そうに見守る。

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母の腕に抱かれながら
いろいろなものを見聞きして
生きることを学んでいくのだ。

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綺麗なタンポポを見つけた。

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でも・・・

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食べちゃった。

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子ザルにとって柔らかいタンポポの花は
良い離乳食なのかもしれない。

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でも、まだやっぱり
苦いタンポポよりも
お母さんのおっぱいが恋しいのだった。

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食後のまどろみ。

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ちょっと休んだら
また探検開始。

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子ザルは好奇心の塊。
いつでも目をキラキラさせている。

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子供が二人集まれば、
じゃれあいが始まる。

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傍らには若いメス。
戯れる子供たちを静かに見守っている。
数年前に生まれたこの若ザルも
今では頼もしい姉さんだ。

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小さな命を守り育てていく
母親たちの苦労は絶えないけれど、

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春の山には、
穏やかで幸せな時間が流れている。

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撮影後記
やっと念願かなって、サルの母子を撮影できました。
このニホンザルの群は過去に何度も撮っていますが、今回はこれまでで最も難しい撮影になりました。
この群は人慣れこそしていますが、彼らにとって人間は脅威になりうる存在として位置づけられています。
だから彼らとの間には「見えざる防衛境界線」というべきものがあって、不用意にその境界線をわずかでも侵してしまえば
彼らは一目散に逃げ出すか、牙を剥いて威嚇してきます。
つまり、地獄谷野猿公苑のように、好きなだけ近づいて撮ることは絶対に不可能なのです。
ただでさえ子育て中の母親はナーバスで、子供の安全を守ることに全神経を傾けており、遠くからレンズを向けただけで逃げられてしまうことが多々ありました。
だから今回の撮影は、彼らに私のことを「それほど害はない奴だ」と理解して貰うことから始めなくてはいけませんでした。
歩き方や近づき方を工夫しながら、ゆっくりと彼らの境界線の内側に入っていきます。
彼らは逃げ出す準備をしながら、こちらをじっと睨んで私の素性を窺います。
睨まれた私はその場に立ち止まり、私は無害だよ、という雰囲気一生懸命彼らに伝えます。
彼らが落ち着くのを待って、さらにもう一歩。
そして静止。
そんなサル達との「だるまさんがころんだ」を繰り返すこと数回。
ようやく彼らも少しづつ警戒心を解き始めてくれました。
その結果、撮れたのが今回の写真です。
子ザルの可愛らしさは言うまでもありませんが、心を打たれたのは母ザルの子供を守ろうとする姿でした。
あのいつでも荒々しいサルたちに、こんな慈愛に満ちた光景を見せつけられるとは思いませんでした。
里山ではもっぱら嫌われ者になってしまったニホンザルですが、彼らに教えられることもまだまだあるように思います。
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