平田浩一・藤原康二・加瀬秀雄 氷彫刻 ”虎”~”琉金”【9】

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氷像の台座部分には平田さんの道具がずらりと並べられ
氷彫刻道具の見本市みたいになっている。

平田さんはこれらを次々と持ち替えて使う。

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藤原さんはヒレづくりを続行中。

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次々と変わるのは道具だけではなくて、
彫刻する場所も目まぐるしく変化する。

作業に目を凝らさずにいると、
知らない間に氷像のどこかが形を変えていて驚くことになる。

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平田さん愛用の作業足場であるビール箱。
最高3段重ねになることもある。

現地調達かとおもいきや、
これも東京から持参してきたものだという。

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3匹目の尾ビレ(手前)の接着。

奥の尾ビレに重なる位置となるので、
この部品を接着するともう奥の尾ビレに
アクセスすることが難しくなる。

氷像の構造上、
奥の尾ビレの彫刻は先に済ませておく必要があったのだ。

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接着完了。

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息つく間もなく、
2匹目の尾ビレ(手前・下)の接着面処理。

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接着面が小さい上に
複雑に荷重を受ける場所。

部品が落下すれば、
部品も氷像も回復不能のダメージを受ける。

最高難度の接着技術を要する局面。

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接着に成功。

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さらに2匹目の尾ビレ(奥・上)。
ここも難しい接着。

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安全策としてコールドスプレーを使う。

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難しい接着の連続を乗り越え、
氷像はよりリアルな造形に近づく。

だが、まだ終わりではない。

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チェーンソーの刃が外れた。

氷彫刻制作は氷との戦いでもあるが、
こういう機材トラブルとの戦いも避けては通れない。

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氷彫刻の現場で使われるチェーンソーは
緑色ボディーが特徴のマキタ製が目立つ。

しかし、平田さんが愛用するのは
新ダイワ工業製のA101Sシリーズ。

チェーンソーにも機種それぞれの長所と短所があり、
マキタ製は刃の付け替えやテンション調整が容易だが、
全体の重量は新ダイワ製を数キロ上回る。

かたや新ダイワ製は全体が軽く、
長時間の取り回しや繊細な作業に向いている。
ただし、刃外れやテンション調整には手間がかかる。

どちらを選ぶかは、使い方と使い手との相性次第なのだという。

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チェーンソーの刃外れはありふれた事象なので、
普段であれば難なく直して作業続行となるのだが、
この気温の低さが思わぬところで障害となる。

外れた刃にまとわりついた水が凍って、
なかなかプレートに取り付ける事ができない。

これを見た加瀬さんが、すかさずサポートに入る。

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実は、平田さんはチェーンソーを2台体制で運用している。
こういうトラブルで作業の手が止まってしまわないよう、
あらかじめバックアップを用意しているのだ。

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「見た目は普通のチェーンソーなんだけど、実は氷彫刻専門用に調整してるんですよ」
と、チェーンソーを無事直し終わった加瀬さんが言う。

木材を切るためのチェーンソーで氷を切るのは
そもそも全く想定外の用途なので
いざ切ろうとしても
刃が氷にうまく入っていかないのだそうだ。

そこでチェーンソーの刃に付いている爪(デプスゲージ)を
一つ一つグラインダーで削り落とす。
すると食いつきのいい、
「氷を切れるチェーンソー」に変わる。

しかし、この改造刃にすると、加瀬さんいわく
「ちょっとした細い庭木も切れない」ほど、
木材に対しては刃が立たなくなってしまうのだそうだ。

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薄く屈曲した尾ビレへの彫刻。
割れやしないかと見ていてハラハラする。

だが、割れない。

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藤原さんは
またもや新たなヒレ部品を仕上げた。

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平田さんが小さな氷片を3匹目にあてがう。
こんな部品を接着すべき場所などあっただろうか。

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その氷片は「胸ビレ」だった。

どんなに小さくても、
実際の生き物にある造形はリアルに再現する。
昔から変わらぬ平田さんの流儀だ。

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2匹目の胸ビレも接着。

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小さい部品だが、
接着面はかなり狭い。

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コールドスプレーで念入りに接着する。

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2匹目の尾ビレ(奥・下)の接着。

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背景部分への彫刻。

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接着面が十分に固着してのを見計らって、
胸ビレの彫刻に入る。

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3匹目の尾ビレ(上・手前)を延長。

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見ていてお腹いっぱいになるほど
氷をツギハギされた氷像。

平田さんの手はまだ止まらない。

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3匹目の尾ビレへさらに付け足す。
使える氷は使う。
もはや執念である。

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ここで、またチェーンソーの刃が外れた。
遠目に見ても刃が凍りついていて
加瀬さんも苦戦している。

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チェーンソーは刃のテンション(張り具合)が重要で、
強めに張れば刃が外れにくくなるが、
無理な力を入れると刃がちぎれ飛んできて
大怪我をする恐れがある。

かといって緩めだとちぎれることはないが、
氷に引っかかって刃がプレートから外れやすくなる。
その上、使うほどに刃は少しずつ延びていくので、
使っているだけで、刃は外れやすくなっていく。

「平田さん、ちょっときつめに調整したから気をつけて」
刃外れが多いこの状況から、
加瀬さんはやや強めの張りへと変更した。

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継ぎ足すのは金魚のヒレだけではなく、
水草部分もあった。

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まもなく午前4時。

毎回作業が終わるのか心配になるが、
今回もやはり、
そういう流れになってきた。

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【10】へ続く

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