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さらに積み上げ。
すでに、土台を含めると氷は6段
約1.5メートルの高さへと育っている。
大きな氷を人力で持ち上げるには
限界に近づいてきた。

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ここで、平田さんがフォークリフトによる支援をオーダー。

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透かし彫りの金魚を荷台へ。

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滑らせるようにして
慎重に氷の上へ。

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氷7段(約1.75メートル)の上へ配置。

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配置後、藤原さんがすかさず水を注入。
氷自体の冷気で、瞬時に接着される。

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透かし彫りの金魚が
無事に積み上がった。

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19時。
制作開始から2時間半。
先程のテレビ中継もあってか、
会場は見物客でごった返す。

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温度計の針は、
すでにマイナス4℃を指している。
序盤からこんなに冷えるのも珍しい。
氷彫刻には最適な温度帯に近づきつつある。

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平田さんがまた別の氷を積み始めた。

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そこに筋彫りでデッサン。
加瀬さんによれば、
平田さんはいとも簡単そうに三角ノミを走らせているが、
氷の表面にブレずに曲線を描くこと自体、
実は至難の業なのだそうだ。
自由に描くのではなく、
設計図からの描き写しともなれば、
難易度はさらに上がるという。

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筋彫りの線に沿って
チェーンソーの刃を入れていく。

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さらに、ドリルでなぞると
見覚えのある形が見えてくる。
どうやら、もう一匹金魚を作るようだ。

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平ノミを使って
立体感を出していく。

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あらかたの形が出てきたところで、
研磨用のドリルで曲線を出していく。
すでに氷点下なので、
削られた氷は微細な粉になって舞い上がる。

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金魚のヒレが見えてきた。

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藤原さんは奥の方で
違う氷を一心不乱に彫っている。

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今回も完全に分業体制で、
効率よく作業を進めようという作戦のようだ。

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藤原さんが何を彫っているのか、
それはまだ分からない。

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ここで、平田さんによる「鱗彫り」が始まった。
彫刻した金魚の体表に、くまなく鱗を彫っていく。

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平田さんの彫るのは「鱗模様」ではなく、
あくまでも「鱗そのもの」だ。
斜めに入れたドリルで彫り出した鱗の一枚一枚を
さらに研磨用のドリルで薄く削っていく。

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これを流れるようなスピードで金魚全体に行う。

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ほんの10分足らずで、
金魚は立体的な鱗にびっしりと覆われた。
平田さんの必殺技だ。
何度見ても、感心せずにはいられない。

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金魚に付随する部分への彫刻。

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金魚のリアリティに、思わず息を呑む。

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水草の形が現れた。

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21時過ぎ、
彫り上がったばかりの金魚に
平田さんがノコギリを入れる。
初めて見る人には衝撃的な光景。
え、どうして!? となる。

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そして、分解してしまう。

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せっかく作ったものを即座に壊すという
一見すると信じがたい行為なのだが、
これにはちゃんとした理由がある。

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平田さんのもう一つの必殺技、
「分解積み上げ」。
微細に彫刻した部品を高所へと積み上げる場合、
そのままでは重すぎたり、
運搬中に破損してしまうおそれがある。
また、落下によって人が怪我する危険性もある
もし運搬中にまるごと落下してしまえば、
部品は修復不能となって、
作品制作の計画を
大きく狂わせてしまうのは間違いない。
そこで、部品の運搬における安全性と
様々なリスク回避を同時に実現するために編み出されたのが、
この方法なのだ。
「あれ、金魚がない!」
ちょっと目を離した観客から、驚きの声が上がる。
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