平田浩一・楞谷貴志 氷彫刻『白亜紀の王者』 ― 国宝松本城氷彫フェスティバル2023【7】

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楞谷さんは這いつくばって
氷像下部の彫刻作業を続けている。

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時には作業の手を止め、
残氷(切削屑)の処理にもあたる。

あらゆる仕事を
マルチタスクでこなさなければならない。
目が回るような忙しさが続くのだ。

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気温も朝に向け
ジリジリと下がり続けている。

気温マイナス4.5℃

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お堀の気嵐が渦を巻く。

冷え込んできた証。

氷彫刻には申し分ない環境だが、
この時間帯になると
寒さが身体を侵食し始め、
足先がジリジリと痛むようになる。

一方、制作者の面々は
この寒さの中、
おそらく汗まみれで作業している。

もはやカオスである。

気嵐を上げる堀の水

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平田さんは
後脚の彫刻に入る。

序盤で苦労して積んだ氷の柱は
このためにあったのか、と理解する。

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楞谷さんは
再び新たな部品の制作に着手。

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1時前、
平田さんが隣で制作していた
小坂・桂田さんチームの応援に入る。

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自分の制作で1分も無駄にできない状況ではあるが、
ここは「お互い様」の精神なのだ。

こういうところもまた
アスリートの精神なのである。

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1時。

残り4時間。

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会場の様子も
これぞ氷彫刻、
という雰囲気になってくる。

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皮膚の下にあるであろう
関節や筋肉や腱。

つぶさに観察することができない恐竜のそれでさえ、
設計図を見ることなく
リアリティをもって彫っていってしまう。

平田さんの超絶技巧だ。

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またもや、
長細い部品ができている。

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先程の尾の表面に
さらに細かい模様をつけていく。

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その1分後には
胴体部分に模様を彫る。

この頃になると、
平田さんの氷像は
「部分」ではなく「全体」で変わっていく。

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楞谷さんが作った部品。

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胴体右下に接着。

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左後脚になった。

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左前脚。

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接着完了。

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まもなく2時。

制作時間も残り3時間あまり。

【8】に続く

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