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頭部を基準に
積み上げた氷を
下に向かって彫刻していく。

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誰がどう見ても「キリン」の頭。
さっきまで「なにか」だったものが、
いつの間にか具体的な物体に姿を変えている。
これが平田さんの彫刻の不思議なところだ。

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制作開始からすでに4時間以上。

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電動工具が使われる頻度が増え、
より派手な作業になっていく。

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キリンの胴体がはっきりしてくる。

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仕事帰りに枡形広場を通りかかった人も
思わず足を止める。

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雪が降り始めた。

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氷の裏側でひざまずく平田さん。

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三角ノミを使っての「筋彫り」。
これからどう彫っていくかを決める、
いわゆる「下書き」。

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筋彫りの線に沿って、
チェーンソーの刃を入れていく。

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あっという間に
ハートの形に型抜きされる。

ここで平田さんは夕食休憩に入る。
「取り敢えず休憩できる」
というのが本戦との大きな違いだ。
とはいえ、宵の口のうちに完成させねばならないので、
時間に追われていることには変わりない。
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およそ1時間後、
猛烈な雪に変わっていた。
気温も急降下して氷点下3℃。

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適度に低い気温は
氷彫刻制作には好都合なのだが、
反面、身体的負担は増える。
吹雪の中の作業であればなおさらだ。

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21時。
ドリルで彫り込んだキリンの網目に
雪を詰めていく。
雪のないときは
チェーンソーで削った氷粉を使うが、
今日は空から無尽蔵に降ってくる。
雪降りにも、良い面はある。

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降りしきる雪の中、
かがみ込んでの作業。
明日の今頃は
本戦で氷と格闘しているはずだが、
体力温存という気配はない。

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キリンの網目模様がはっきり現れた。

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平田さんがハンドバーナーに点火。
仕上げ作業が始まる合図だ。

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バーナーの青い炎が
氷の上をひと撫ですると、
乳白色だった氷が、
一瞬で透明になる。

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表面処理を終えた氷像。

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21時45分。
氷彫刻『キリン』完成。

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しばし、他の制作者と語らう平田さん。
ちなみに、何を作るかについて
他の制作者と事前の打ち合わせはないのだそうだ。
今回キリンをモチーフにしたのは、
以前作ったキリンが子供たちに人気だったことと、
キリン単体を彫る人は珍しいので、
他の人とかぶらないだろうと踏んだから、とのことだ。

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途中で降り始めた雪は、
あっという間に辺りを真っ白にしてしまった。
「いやぁ、もしやと思って
スタッドレス借りてきて良かったですよ」
平田さんは機材を車に積み込むと、
ホテルへと向かう。
時計は22時を回っている。
明日は本戦である。
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