外食の記録(2015.1~2015.8)
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この日、件のモモ主らと小料理屋で飲んで、
「2軒目行こ~、いい店あるから!」
と連れて行って貰った店。
酔いが回って、かなり思考はテキトーになっていたのだが、
出てきたラーメンをすすった途端、ハッとした。
↓ 塩ラーメン

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シンプルな見た目とは裏腹に、
複雑な味が絡み合って、
なんとも美味いのである。
スープもチャーシューも、
麺の茹で具合も
想像を超える。
アルコール性ボキャ貧に陥っていた私は
とにかく「うまいうまいうまい」
を連呼した。

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でも、この店、ラーメン屋ではない。
BARなのである(外見も内見も)。
なんで飲み屋でこんなに鋭いラーメンが出てくるのか。

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ラーメンの前にツマミで馬刺しを頼んだのだが、
これまた鋭いものであった。
たてがみ(白い部分)、初めてだったがこれまた美味。
なんでBARにこんな上等の馬刺しがあるのか。

地元にこんな店があったとは。
灯台下暗し的な名店。
以来、もう一度行こう行こうと思いつつも、
なかなかチャンスに恵まれない。
長野県大町市 飲み処 韋駄天
追記:残念ながら2018年閉店。
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九州旅行に行った。
マイカーで陸路を行く暴挙の旅(総走行距離往復約2000km)で、
いきなり九州入りが難しかったので
まずは広島で1泊。
せっかく広島に来たのだから
お好み焼きを、ということで
ホテル直近の店へ。
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そば肉玉子 ¥750

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広島風お好み焼きの
肉、キャベツ、そば、玉子の地層構造に
名代のオタフクソースがドバっと塗られ、
青のりがババッとかかっている。
厨房では多くの店員さんが
何十枚ものお好み焼きを
流れ作業で次々と焼いている。
ああ、広島に来たんだなぁ。.

広島市内には幾多のお好み焼き店があり、
お好み焼き店ではない店も、お好み焼きを出している。
それぞれに行きつけのお好み焼き屋がある、とも聞く。
いわゆる広島のソウルフードなのだなあ、と思う。
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とん平焼き ¥750

青ネギたっぷりを軽く炒めて、そこにダシを一振り、
薄焼き卵でふわっと包んで、
お好み焼的仕上げを施せば、とん平焼きの完成。
美味しかった。
まあしかし、なんというか、もうちょっと安くてもいいかな、とは思った。
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2日目。
無事九州上陸に成功し、福岡の夜。
福岡といえば、「モツ鍋」か「水炊き」か迷ったのだけれど、
モツ鍋は以前、大阪で美味しいのを食べて味をコピーできていたので、
まだ未体験の「水炊き」を頂いて、
我が家の食卓のバリエーションを豊かにしていこう、
ということに。
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席に通されると、卓上にはスープの張られた鍋があり、
スープの底には、すでに鶏肉が沈んでいる。
ここが鶏鍋と水炊きとの根本的な違いなのだ。

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鶏肉を一度炊いてスープを取り、
そのスープと一緒に鶏肉を楽しむ。
鍋というよりは、スープ料理なのである。
だからまず、鶏肉に先んじてスープを味わう。
小さな湯呑みにスープを入れて、
塩ひとつまみ、青ネギ少々。
鶏の旨味がじわっと滲みでたスープ。
ちなみにこの「利きスープ」の機会は3回あって、
鍋の進行具合に沿って
初回は鶏単独の旨味、2回めは鶏+野菜の旨味、3回目は鶏+野菜+茸の旨味、と
「スープ進化論」が展開されるのだ。

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正統派のポン酢(ダイダイの果汁入り)で頂く。

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お好みで青ネギや柚子胡椒を少々。

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特筆すべきは、この唐揚げ。

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外見は普通なのだが
ひとくち食べると、中から滝のように灼熱の肉汁がほとばしる。
未だかつて経験したことのない、桁外れのジューシーさ。
おそらく、鶏肉を揚げる前に
長時間スープに漬けているのではないか、と思うのだ。
きっとそうに違いない。
いずれにしても、一度は食べる価値のある唐揚げだと思う。

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肉団子。
鶏の肉団子と言えば、パサパサ、モソモソ
という食感になりがちなのだが、
この肉団子はしっとりもっちり、さらには
全くアクが浮いてこないという
謎の肉団子だった。
首を傾げつつ食べていると、
妻が出てきた胡麻豆腐と肉団子を代わる代わる見て
「あ!そうか」と言った。
なるほどそういうことか。
後日、実証実験を試みたところ
見事に美味しい鶏肉団子に成功した。

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最後は雑炊で、
鶏肉の旨味を味わい尽くして終了。
ごちそうさまでした。

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毎冬大阪に行くのであるが、
道頓堀に常時恐ろしいほどの行列ができているラーメン屋がある。
その名は「一蘭」。
大阪に行くたびに、
どうしてこんなに並ぶのか、という謎を
実食して解明してみたいと思っていた。
よく考えたらこの「一蘭」、
福岡が本拠地なのだ。
そして、偶然にもホテルの直近に本社総本店が
どどーんと建っているのである。
ラーメンでビルが建つ時代なのだ。

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しかし、この店も昼から深夜にかけて行列が途絶えることがなく
並んでいるヒマもないので、
朝7時に突撃するという暴挙を敢行した。
さすがに行列はない。
本日の朝食
天然とんこつラーメン ¥790

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白濁スープ。
濃すぎず薄すぎず、見た目よりはさらっとしている。

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麺。
低加水細麺。
茹で加減はバリカタで。
当然、替玉は必至。

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チャーシュー。

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ちなみに、
注文時にこういうメモを渡されて、
好みの項目に丸をつけると、
ラーメンがかなり細かくカスタマイズできる方式。

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この仕切られた座席。
「味集中カウンター」というそうである。
なんにも気にせず、ラーメン食べるのに集中!なのだそうだ。

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ラーメン自体は普通に美味しかった。
一蘭はラーメン作るのに本気になっていると思ったし、
この他にもいろいろ先進的なことにチャレンジして、
ラーメンの未来を作っていこうとしているのだな、と感じた。
だが、お客の心を掴むポイントを
ラーメンそのもの以外に置き過ぎるのもどうかな、とも思う。
佐野実のような恐ろしい顔のおっさんが
カウンターの向こうから腕組みして客を睨みつけてくるような場合は別として、
そこに客の心をときめかせるような美味いラーメンがあれば、
間仕切りのあるカウンターがなくても、
客は否応なくラーメンに集中するであろうし、
店員と直接やりとりすることも厭わないと思うのだ。
ラーメン屋に客を呼ぶのは、やはり美味いラーメンに他ならない。
後から知ったのだが、
一蘭は外国人観光客に大人気で、
あの大行列の大半は外国人なのだという。
一蘭は今その勢いに乗って、全国に支店を展開中だ。
一蘭の夢見る豚骨ラーメンの未来ははたして到来するのか。
いずれにしても、本当の勝負は
この外国人観光客の嵐が過ぎ去った頃
始まるような気がする。
そんな、豚骨ラーメンの未来を考えさせられる
福岡の朝なのであった。
それにしても「天然」って何だ。
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九州旅行の最終日、
別府温泉に泊まった。

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「鉄輪温泉 もと湯の宿 黒田や」
肉屋が経営するホテルという
別府でも異色の存在。
夕食の「和牛ステーキ和風懐石」
が美味しそうだったので、この宿を選択。
「餅は餅屋、肉は肉屋」なのかもしれない的な。
料金設定はかなりリーズナブルだったので
「まぁ、ハズレでもいいや」
というスタンスであまり期待せずに行ったのだ。
宿に着いて
早速別府鉄輪温泉のお湯を楽しみ、
夕食の時間。
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食前酒・・・かぼす蜂蜜酒
前菜・・・黒豆豆乳寄せ、海老小柚黄身鮨、子持ち鮎甘露煮、
河豚皮煮こごり、モッツァレラ田楽粕漬、千社唐、焼目栗

どれもこれも細やかな味。
いい意味で予想を裏切られ、テンション急上昇。
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お吸い物・・・土瓶蒸し
(ヤガラ、蛤、海老、松茸、銀杏、軸三つ葉、すだち)

むむ・・・いい出汁が出てる!
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造里・・・鯛、間八、生海胆、新物数の子大名漬け、芽物一式

美味しい刺身をちょっとずつ。これが幸せ。
ワサビもちゃんと本わさびを下ろしてある。
こういう細かいところに気合を感じる。
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焚合せ・・・灰巻玉あられ揚げ
(蓮根、くりかぼちゃ土佐煮、さやえんどう)

灰汁巻(あくまき)は南九州でつくられる和菓子で、もち米を灰汁で煮て作るのだという。
食感は生麩に似ている。
初めて食べた。
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焼物・・・太刀魚手網巻粕漬床西京焼(丸十レモン煮・黒米おこげ煎餅)

太刀魚が編んである。なんと手間のかかることを・・・
丸十とはさつまいもの別称。このレモン煮・・・こういう調理法があるのか・・・まことに美味。
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温物・・・とろ湯葉餅、黄金蒸し
(海老、椎茸、銀杏、三つ葉、銀あん掛け、振り柚子)

茶碗蒸しはすごくシンプルだけに
かえって難しい料理だと思うんだが、
文句のつけどころのない味。
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強肴・・・極上豊後牛サーロインステーキ

そしてついに本日の真打ち登場。
お品書きには「極上」の文字が燦然と輝く。
これを運んできた仲居さんが
「うちは肉屋をやってますんで、肉には自信があるんです」
と不敵な笑みをうかべる。
そんなにハードル上げなくても・・・と一瞬たじろいだのだが、
見よ、この牛肉を!
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程よく熱した卓上の鉄板に肉を乗せると、
すぐさまジリジリ、ジュワジュワと
魅惑のステーキショーが始まるのだ。

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焼き上がり。

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赤身の旨味、脂身の甘味、
もうなんというか、美味い。
極上の冠に偽りはなかった!
肉から出た脂で焼いた野菜もまた美味いのだった。

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酢物・・・柿膾、天盛りイクラ

ステーキの余韻をさらりと流してくれる酢の物。
いい組み立てだと思う。
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釜飯・・・むかご山菜釜飯

卓上で一人分ずつ炊きあがる釜飯。
この一人釜飯は、かなり炊きあがりに差があって、
私は特に、水分多めの炊きあがりが苦手なのだが、
ここの釜飯は水加減ぴったりで、好みの硬さに炊きあがっていた。
今まで食べた一人釜飯の中では一番美味しかったかもしれない。
ちなみに、ここに香物三種盛りとなめこ赤出汁も供された。
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果物・・・メロン、苺、柿プリン

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大満足で就寝。
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翌朝。
窓の外には「これぞ別府」という景色が広がる。

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別府湾の彼方に朝日が昇る。

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旅の朝は、何度味わっても良いものだなぁ。

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朝食。
「大分たまて箱御膳」
鳥天、りゅうきゅうなど、九州料理の朝ごはん。
朝から目が楽しい。

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部屋に戻ると、別府湾が黄金色に輝いていた。

とても素晴らしい宿だった。
難点は長野から遠いこと。
近くにあったら、足繁く通ってしまいそう。
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初夏。
冷たい麺が恋しくなり始める季節。
なんと、長野の山奥に
本格讃岐うどんを食べさせる店があるという。
もうその立地からして
頭の上に疑問符がいくつも浮かぶのであったが、
好奇心にまかせて行ってみることにした。
長野県東筑摩郡筑北村。
四方八方を山に囲まれた、静かな土地。
うねうねした山道をとにかく進むと、
突然うどん屋の看板が現れる。
看板の示すとおり脇道に入って
かなりの急坂を登り切った先に
その店はあった。
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「坂のうえ」

.ご主人(女性)が、突然「うどん屋を始める!」と思いたち
自宅を改装して始めた店。
メニューもそのものズバリで潔い。
ざるうどん、かけうどん、釜だしうどん。
今回はざるうどんを選択。
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程なくして、つゆと薬味セットが運ばれてきた。
おお!ネギかけ放題。

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到着。

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おお、この麺の美しさ。
期待できる。

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つゆをちょいと付けて
すすり込む。
美味い!

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つゆもしっかりと讃岐スタイル。
薬味を入れて、また美味し。

ご主人は店を始めるにあたって、
四国にひとりうどん行脚の旅に出たとか。
うどん愛をひしひしと感じる。
長野でこんなに美味いうどんが食べられるとは。
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長野駅の駅ビルが大改装して
中のテナントが一新された。
そこに、駒ヶ根のソースカツ丼の老舗「明治亭」も
出店するのだという。
おお、これで地元で気軽にソースカツ丼を食べられるようになったぞ、
というわけで、
明治亭駒ヶ根本店に行くことにした。
我ながらアマノジャクなのだ。

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信州産豚 ソースカツ丼。

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そうそう、このビジュアル。
フタが閉まらないのは標準的仕様。
フタとしての用途よりも、
食べるときにカツを一時的に退避させる場所として重要。

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カツにはソース(というよりも、ソースをベースとした立派な丼タレ)がしっかりかかっている。
「かつや」のソースカツ丼みたいな、ただカツにソースをかけただけで
ソースカツ丼を名乗るのは断じて許しがたいが、
ここのソースカツ丼は立派な「丼」である。

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揚げたての衣になので、
ソースが染みこんでもカリッとした食感を保ちつつ、
噛みしめると、中から肉汁と脂が溢れる。
外食の必勝要素「塩味・甘味・旨味・脂味」を完全装備。
美味くないわけがない。

見た目のヘビーさとは裏腹に、
ペロっと食べられてしまう。
後日、長野駅ビル店にも行ったが、
変わらない美味しさだった。
ソースカツ丼万歳。
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盛夏。
件のモモ主を自宅に招き、
餃子パーティーを繰り広げた翌朝、
突如として
「これからとうもろこし食いにいこう」
とモモ主は言った。
内心、「・・・とうもろこしかぁ」と思った。
小さな頃からとうもろこしは、身の回りにふんだんにあった。
季節ともなれば、食卓には山のようにとうもろこしが並んだ。
食べても食べてもなくならなかった。
とうもろこしはお金を払って買って食べるものではない、
そう思っていた。
そんな葛藤を抱えつつ、
上水内郡信濃町に到着。
平日だというのに、
駐車場はほぼ満車なのである。

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行列に並んで焼きもろこし購入。
品種は「ゴールドラッシュ」というそうだ。
粒の色艶といい、焼目といい、見た目がなんともそそる。

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熱々のところをかぶりつく。
うわ!と叫ぶほど甘い。
こんなとうもろこし食べたことないぞ!

いとも簡単に
これまでの「とうもろこし観」が覆ってしまった。
餅は餅屋だし、とうもろこしはとうもろこし農家なのである。
専門家が作ったとうもろこしを、
最高の状態の時に収穫して
間髪入れずに料理して
熱々のうちに食べさせる。
これに勝る食べ方はないな、と思う。
シンプルだけど、最高に美味い食べ方だ。
だからこそ、ここまで来て食べる必要がある。
この年になって焼きもろこしに感動するとは思わなかったが、
貴重な体験だった。
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というわけで、半年分(とちょっと)の
外食日記でした。
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