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深緑の境内はもう
蝉しぐれの中。
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山門

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仁王門、金剛力士像【阿形】

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金剛力士像【吽形】

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撮影後記
古い借家に住んでいるんですが、前の住人(もしくはさらに前の住人)が壁に留めていった大日如来の御札が転居当時から気になっていました。
だいたいこういう御札というものは、貰ってきて1年経ったらお寺にお返しするのが習わし。
こうやって何年もの間、古い御札を壁に留めたままというのは御札に対してかなりのオーバーワークを強いているのではないか。
大日如来もこの長期残業でかなり疲弊されているのではなかろうか。
ご利益どころか、怒りを買っているのではないか。
ここはもうお焚き上げによって早々に業務終了して、然るべき場所でゆっくりして頂きたい。
そう思いたち、古札返納に行くことにしたのでした。
この御札、そこに記されてあった寺院の山号と但し書きで、どこのお寺のものかおおよその推理はつくも、いまいち確証には至らず。
大日如来の御札なので、とにかく密教寺院(真言宗か天台宗)にお返しするのが良かろう、と考えて、厄除けで有名な、松本の牛伏寺(ごふくじ)に向かったのです。
この牛伏寺に来るのはほぼ10年ぶり。
私が写真を始めた頃、超初心者マークで訪れた場所です。
当時のことを思い出しながら、なるべく当時の文脈に沿って撮影してみました。
当時見えていなかったもの。
見えていたけれど、どうやって撮っていいのか分からなかったもの。
何を撮っていいのかよくわからないまま、ただがむしゃらに撮っていた当時を思い出して、懐かしいような切ないような気持ちになりました。
昔と変わらず、ただシャッターを切っているようで、やっぱり10年という年月はカメラを持つ手にも何かを刻んでいるのかもしれないな、と思いました。
当時、私の心をガッツリ掴んだのは、この寺の金剛力士像でした。
製作年代はおそらく江戸時代で、それほど古いものではないのですが、とにかくこの金剛力士像、「眼ヂカラ」と憤怒の形相が凄いのです。
玉眼の金色に縁取られた瞳と視線を合わせると、仏像なのに、射竦められたような感じがします。
阿形にあっては、左の玉眼が割れているせいでかえって凄みが増しています。
10年前も、この金剛力士像に心奪われましたが、久しぶりに見た彼らはいまだに素晴らしかったです。
ポートレートに値する仏像だと思います。.
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