【前編】
長野県安曇野市
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降り立つ彼らの技には
目を奪われる。
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着水とともに飛散する
輝く水しぶきが美しい。

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氷の上にも、
華麗なステップで舞い降りる。

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時には、
我々の知らぬ言葉で
愛をささやく。

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風のない日は
水田が一枚鏡になる。

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迫る夕暮れ。

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風で水面が波立つ。

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首を高く上げて風を読み
風上に向かって
一気に駆け出す。

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黄昏の空へと
駆け上がる。

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例え地面がなくても
水面が滑走路となる。

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空へと登っていく彼らは
最も力強く、

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そして、
最も美しい。

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その大きな翼で
大気を掴む。

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強い南風が吹いた日。

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翼が、
輝いている。

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残照が、
翼を刃物のように輝かせる。

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そして、
また春がやってくる。

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別れの時が
近づいている。

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また会う日まで。
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撮影後記
2008年晩秋。
私にとって2回めの白鳥シーズン。
白鳥撮りにはまって、わけも分からず撮りまくった1シーズン目の反省を踏まえ、少しずつ「どう撮るか」を意識しながら撮影するようになった。
それでも、撮影1回あたりの平均ショットは700枚くらいあり、帰宅してからの選別に毎回音を上げていた覚えがある。
この冬、1シーズン目には気づかなかった白鳥の魅力を新たに発見し、また、白鳥撮りの現場に集う諸先輩方からもそれを教わった。
白鳥のいる景色を撮りたいのではなく、白鳥そのものの魅力を撮りたいと思った。
このシーズンの写真を見返すと、そういう思いの萌芽が垣間見える気がする。
そして、この頃から「白鳥を撮るためには装備が大切」ということを、切実に感じ始める。
当時は、「生涯おひとりさま」路線の人生片道切符を手にしていたので、撮影機材への投資が滅茶苦茶だった。
それでも、現在の機材の基盤が、この暴挙ともいえる設備投資によって確立されたのも事実なのである。
1シーズン目と同様に、手元のRAWファイルから写真を選別し、全て再調整したうえで、高解像度の写真として現像し直した。
RAW現像の技術は、現在でも進化し続けている。
昔は出せなかった細かなニュアンスや、隠れた画質を引き出せるようになった。
JPEGで撮ってしまえばそれっきりだが、RAWで撮っておけば未来へ可能性を残せる。
いくらデータがかさばろうとも、RAWで撮らない理由はないと思っている。
(2018年11月7日・記)
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