長野県安曇野市明科 御宝田遊水池
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最後に白鳥を撮ったのは
いつのことだったろうか。
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ずいぶんと離れてしまって
どうやって再アプローチしたらいいのか
少し戸惑っていたのだけれど、

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白鳥飛来数が100羽を超えたと聞いて
御宝田遊水池を訪ねた。

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彼らは変わらずにいた。
仲間と息を合わせて
最大推力で、空に駆け上がっていく。

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意識を集中して
ファインダーで追いかける。

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しばらく忘れていたこの感覚。

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調子を取り戻すには
しばらくリハビリが必要みたいだ。

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遠く蓮華岳が
朝日に染まる。

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早暁。

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やっと、この場所に戻ってこられた。

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白鳥撮影、
本日より再起動します。
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回想録
今からちょうど10年前、私はこの安曇野で白鳥に出会い、白鳥と一緒に心中することも厭わないくらい、白鳥撮影にどっぷりとハマりました。
その頃私は、カメラ使いとしてはまだまだ駆け出しで、撮りたい写真の方向性や撮影のスタイルがいまだあやふやだったように思います。また当時は「撮り続けることの難しさ」を感じ始めていた時期でもありました。
そんな毎日に、突如として白鳥が現れたのです。
白鳥は、望んだ写真を簡単に撮らせてはくれません。
必死で追いかけてシャッターを切っても、ピントが抜けていたり、構図がおかしかったり、とんでもない歩留まりの悪さで心が折れそうになります。
それでも時折、神様のイタズラみたいに奇跡の1枚が撮れたりする。
なんとも絶妙な射倖心の煽り方です。
私はすぐに、なんとかその奇跡の1枚をものにしようと躍起になりました。
時間の許す限り、朝から晩まで白鳥を眺め、シャッター幕が弾け飛ぶくらい撮る日々が始まったのです。
あの狂ったように白鳥を追いかけていた毎日が、今の私の撮影スタイルを方向づけたといっても過言ではありません。
このブログが10年経った今なお続いているのも、白鳥のおかげなのかもしれません。
私の写真と不可分の関係にある白鳥ですが、ここ数年は彼らから遠ざかってしまっていました。
安曇野へ通うにはちょっと遠すぎる所に生活の本拠を移してしまったからです。
でも冬になるといつも、白鳥のことを思い出しました。
厳しく冷え込んだ冬のある朝、善光寺平は澄みきった空に覆われていました。
その日、仕事で外にいた私は、ふいに空の上から聞き覚えのある声が降ってくるのに気づきました。
コーッ!という甲高い鳴き声。
一瞬でそれが何なのかわかりました。
慌てて見上げた空を、V字編隊を組んだ大きな白い鳥が滑るように遠ざかっていくのが見えました。
白鳥!
その時、言葉にできない、頭を掻きむしりたくなるような感情が次から次へと押し寄せてきました。
それは片思いの相手を、人混みの向こうに突然見つけたような感覚でした。
私はすでに白鳥の見えなくなってしまった空に視線を泳がせながら、「ああやっぱり私は白鳥が好きなんだ」と気づいたのでした。
いつかまた、白鳥に会える場所に戻れたら、またあの頃のように白鳥を撮ろう、と思ったのです。
意外なほど早く、その夢はかないました。
再び、私は白鳥の近くに戻ってきました。
そして今朝、私はまた白鳥の前に、カメラを持って立ったのでした。
白鳥撮り、再スタートです。
撮影後記
ブランクというものは恐ろしいもので、以前は普通にできていたことがヘタクソになっていて驚きました。
白鳥撮影は、ただシーンに合わせてシャッターを切るのだけではなくて、彼らの意思を身体で感じ取りながらでないとうまくいきません。
どの群が次に飛ぼうとしているのか、どの方向に向かって飛ぼうとしているのか、そういう白鳥のペースを感じることができないと、シャッターを切るタイミングを見失ってしまいます。
その感覚が、ブランクによって全くバカになってしまっていました。
いろいろとタイミングを合わせることができないまま、かれらはあっという間に飛び立ってしまいました。
再起動とかカッコいいこと言う前に、必要なのはリハビリだということが判明してしまったのでした。
白鳥は、速いシャッタースピードで止めて撮るのが好きなんですが、今朝はかなり暗いうちに飛び立ってしまい、やむを得ず流し撮りでチャレンジしました。
なんだか更に難しい再起動になってしまいました。
久しぶりの撮影地で、内心ちょっと緊張しつつ赴いたのですが、よく知る先輩の皆さんにお会いすることができ嬉しかったです。また、いろいろとご教示いただければ幸いです。
こうやって再び白鳥を撮りに戻ってこられるのも、白鳥の会の皆さんやカメラマン諸氏が飛来地の保全を地道に続けておられるからこそであり、感謝の思いでいっぱいです。
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