善光寺境内で猫に尋ねられる

長野市 善光寺境内

.

夕暮れの善光寺境内で
1匹の猫を見つけた。

.

.

EOS5D Mark IV + EF50mm F1.2L USM + ブラックミストNo.1

.

.

竹垣の中で佇む猫に
観光客の子供が「あ、猫だ!」と駆け寄る。

猫は「ああ、面倒くさい奴が来たな」と
さっと身を翻して植え込みの中に消える。

子供は「あー、行っちゃった」と諦めてその場を去る。

しばらくすると
猫は植え込みから出て
こっちに向かってきた。

その猫は私を見て
ぬーん
と話しかけてきた。

それは茶トラのメス猫だった。

EOS5D Mark IV + EF50mm F1.2L USM + ブラックミストNo.1

.

.

これまでに遭遇した猫の95%超に
顔を合わせた途端、
警戒・畏怖・嫌悪・逃走され続けてきた私にとって、
それはあまりにも稀有な体験だ。

驚いている私に彼女はまた
ぬーん、
と鳴いた。

EOS5D Mark IV + EF50mm F1.2L USM + ブラックミストNo.1

.

.

最初はなんとなく、
人恋しさで甘えてきたのかな、とも思ったが、
どうやらそうではなくて、
彼女は私に何かを尋ねているのかも、と思う。

猫語的に、語尾に「?」がついているのが分かる。

EOS5D Mark IV + EF50mm F1.2L USM + ブラックミストNo.1

.

.

それは、
「お腹すいたけど、ご飯はどこなのか?」
かもしれないし、
「私の子供を知らないか?」
なのかもしれなかった。

猫と仲良くした時間が極めて少ない私には、
そういう猫語の機微なニュアンスが理解できない。

ただ、彼女は私に一生懸命なにかを尋ねている。
それだけはなんとなく分かった。

EOS5D Mark IV + EF50mm F1.2L USM + ブラックミストNo.1

.

.

彼女はそうやって懸命に私に質問するのだが、
猫語を解さない私は
ついに彼女の期待に応えることはできなかった。

やがて彼女は、
話が通じないことを理解したのか、
まったくもう、
という感じで歩き出す。

EOS5D Mark IV + EF50mm F1.2L USM + ブラックミストNo.1

.

.

山門脇に回り込んだ彼女は
キョロキョロしながら
あたりを歩き回る。

EOS5D Mark IV + EF50mm F1.2L USM + ブラックミストNo.1

.

.

ベンチの裏側や
壁の隙間をくまなく覗いて回る。

やはり、なにかを探しているみたいだ。

EOS5D Mark IV + EF50mm F1.2L USM + ブラックミストNo.1

.

.

一体何を探しているのか。

EOS5D Mark IV + EF50mm F1.2L USM + ブラックミストNo.1

.

.

でも時折、
私の方を向いて
「本当にお前は知らないのか?」
という顔をする。

申し訳ない。

EOS5D Mark IV + EF50mm F1.2L USM + ブラックミストNo.1

.

.

探すことにちょっと疲れた様子。

EOS5D Mark IV + EF50mm F1.2L USM + ブラックミストNo.1

.

.

山門の2階に上る階段の上で
ちょっと休憩するらしい。

EOS5D Mark IV + EF50mm F1.2L USM + ブラックミストNo.1

.

.

一息つく彼女をしばらく見ていたら、
急に彼女は「ハッ!」という顔をした。

猫がハッとする顔をするわけないのだが、
たしかにそういう顔に見えた。

どうやら、彼女は遠い視線の先に
目的の何かを発見したようだった。

EOS5D Mark IV + EF50mm F1.2L USM + ブラックミストNo.1

.

.

そして彼女はさっと身を起こすと、
そちらの方向へ
一目散に走っていった。

結局、彼女は一体何を探していたのか。

それは
いまだに謎のままである。

.

.

タグ「その他の生きもの」の関連記事