アブラゼミの羽化を撮る2021

自宅にて

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今年もまた、
セミが羽化する季節がやってきた。
(虫嫌いの方、閲覧注意)

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蒸し暑い夏の宵。
庭をウロウロしている
セミの幼虫を発見。

モデルとしてスカウトして、
家に招き入れる。

あらかじめ拾っておいた
杉の枝を差し出すと、
なんの疑いもなく登り始める。
そこが愛おしい。

前肢を樹皮に突き立てて
器用に垂直登攀していく。

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前肢の形状を見るとわかるように、
垂直な壁を登れる形状に特化している。

人間がアイスクライミングで使う
アイスアックス(←画像)
と同じ形になっている。

私もアイスアックスを使って
氷壁を登った経験があるが、
先端を凹凸にちょっと引っ掛けただけでも
全身を支えるくらいの保持力がある。

数年間を地中で過ごすセミだが、
空中生物へと変化するその時のために
あからじめ登攀用装備を身に着けているのだ。

それを考えるとすごい。

登ったり降りたりを繰り返しながら
羽化する定位置を探す。
やがて意を決したように静止。行動時とは違い、
前肢を樹皮に深く突き立てる。

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羽化の開始。
掴まっている枝を抱きかかえるように
身体を小さく丸める。

殻の内圧が高まり、
背中の中央部分がまず割れ始める。

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割れ目が拡大。

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割れ目が両眼の間に達したところで
上体を抜きにかかる。

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まだ半透明の体表から
筋肉組織が透けて見える。
セミのパワフルな飛翔を可能にする背筋。
マッチョである。

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両眼が離脱。
しかし、左眼が凹んでしまっている。
脱皮中の事故なのか。

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ところが、その直後
左眼の凹みは瞬く間に修復。
どうやら、脱皮中に発生させている内圧で
少々の凹みくらいは余裕で修正できるらしい。

驚いた。

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上体の離脱が完了。

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ここから上体をのけぞらせ、
次なる脱皮フェーズに備える。

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ゆっくりだが着実に
逆さ吊り状態へと移行。

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のけぞったまま10数分間静止。
離脱した肢が硬化するのを待つ。

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のけぞり体勢から
驚異の腹筋力で上体起こし。

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抜け殻に掴まる。

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直ちに腹部を抜き去る。

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羽の伸張開始。

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目に見える速度で
羽が展開されていく。

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細くて弱い中肢と後肢は
まだ宙に泳がせて
硬化養生中。

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羽の伸張がほぼ完了。
乾いて硬度が増すのを待つ。

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アブラゼミ特有の
羽のマーブル模様が
うっすらと現れ始める。

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体表にも
模様が現れてきた。

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羽を硬化養生ポジションから
通常位置へ。

ここから先は
ほぼ微動だにしない。
全身硬化養生フェーズとなる。

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羽のマーブル模様が
はっきりしてくる。

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アブラゼミのこのマーブル模様、
日本人は見慣れすぎていて
ああなんだアブラゼミか、
という感じなのだけれど、
世界的に見ると
不透明の羽を持つセミは珍しく、
なぜか海外のセミ好きに
人気が高いらしい。

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体表も硬化して
色調も随分アブラゼミらしくなった。
明日の朝には
空中生物としてデビューするだろう。

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地中生活者からの華麗なる変身。
やはり、
何回見ても感動的だった。

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使用機材

EOS5D Mark IV
EF100mm F2.8L Macro IS USM
ストロボ + ラジオスレーブ
ソフトボックス
レフ板数枚

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撮影後記

 実はアブラゼミではなく、初回撮ったヒグラシか、それ以外のセミを撮影する予定だった。
 しかし、徘徊するセミの幼虫になかなか出会えないことに加えて、セミの幼虫の形態について不勉強(詳しければ幼虫の段階で種類を判別できる)だったせいで、昨年に続いてまたアブラゼミをモデルスカウトしてしまった。
 後日抜け殻を見回ったが、我が家の庭木は圧倒的にアブラゼミが与党のようで、他のセミの抜け殻はわずかだった。
 初回のヒグラシはビギナーズラックということだったのだろうか。

 今回は去年よりもさらにライティングを工夫して、より美しく撮ることを心がけた。
 満を持して臨んだら、またアブラゼミだったという因果な撮影になったが、おかげて去年よりもライティングがちょっとマシになっていることを見ていただけると思う。

 来年以降は、ぜひ他種のセミでリベンジしたい。
 撮影のノウハウやリズムはだいたい分かったので、身近なセミの羽化を次々と記録するのもいいかな、と考えている。

 

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