小松基地航空祭2019【F-16機動飛行(PACAF F-16 Demo Team)】

石川県小松市 航空自衛隊小松基地 小松基地航空祭2019(9月16日)
「アメリカ太平洋空軍(PACAF)F-16デモチーム 機動飛行」

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会場の一角に
見慣れない機体が駐機されている。


EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM

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見慣れてはいないが、
ひと目見ただけでわかるその特徴的な外観。

F-16C ファイティングファルコン
またの愛称は「バイパー(viper)」。

生産数は現在まで4500機以上。
世界で最も売れた戦闘機。

テールコードは「WW」。

アメリカ太平洋空軍(PACAF)
第35戦闘航空団、第14戦闘飛行隊。
米軍三沢基地において、日本北部の防空を担っている。

EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM

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そもそも、なんで米軍のF-16が小松にいるのか。

米空軍といえばアクロバット専門飛行隊
「サンダーバーズ」が有名だが、
それ以外にも、第一線で任務につく機体をそのまま使う
アクロバット専門部隊が存在する。

今回、小松に飛来したのは太平洋空軍に所属する
アクロバット部隊、
「PACAF Viper Demo Team」
である。

今回、機体の不具合で参加が危ぶまれた
ブルーインパルスの補完措置として
PACAFのデモチームが急遽、
三沢から招聘されたのである。

【北國新聞(2019年9月5日)】
(略)とりわけブルーインパルスのフライトは人気が高く、今年は4月に使用機に不具合が見つかり、全国の航空イベントでブルーインパルスの飛行展示が見送られた。7月に再開が決まり、小松でも飛行することになったが、整備を終えた機材から使用するため、6機編隊がそろうかどうかは未定となっている。
 このため小松基地は、戦闘機が縦横無尽に大空を飛び回る華麗な航空ショーを楽しみにしているファンに応えるため、米軍三沢基地(青森県三沢市)のF16に参加を要請。陸自第10師団(名古屋市)の74式戦車の訓練展示も決まった。
 小松基地渉外室の担当者は「航空祭で披露される高度な飛行技術を通じて、自衛隊の活動に理解を深めてもらいたい」と話している。

とのことだ。

EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM

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コックピットの下には、
訓練で撃墜した機数を表す
「キルマーク」。
米軍らしい。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM

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ボロボロに塗装が剥げた垂直尾翼。
ここだけでなく、機体の外面がとにかく荒れている。
(それもまたカッコいいんだけど)

機体をピカピカに磨き上げる航空自衛隊とは
道具に対する基本的な思想が異なる気がする。
国民性の違いだろうか。

EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM

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めったに見られない米軍機に
終始人だかりができていた。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM

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F-15の機動飛行のさなかにエンジンスタートしたF-16は
9:00ジャストにタキシーアウト。

滑走路へと向かう。

操縦桿を握るのは
Jacob Impellizzeri(ジェイコブ・インペリッツェリ)大尉。
コールサインはPrimo(プリモ)。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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アフターバーナー全開のTACデパーチャーから
ハイレートクライム。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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完全に背面。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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斜めループで降下後、会場正面へ戻ってくる。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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とにかく速い。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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これまでの飛行展示では見たことのないような
縦横無尽に飛ぶスタイル。

ファインダーで捕捉するのもやっとだ。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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高機動の連続で、
F-16特有の
襟巻きベイパーが出続けている。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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どこからともなく猛スピードで現れて
あっという間に視界の外へと消えてゆく。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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背中を撮るチャンスが何度もあるのは
カメラマンとしては嬉しい。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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完全なる背面飛行。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III


ブルーインパルスを除き、
自衛隊機は航空祭で曲技飛行をしないという
自主規制のもとに飛んでいる。
だから、宙返りしたり、背面になったりする姿は決して見られない。
こういう曲技飛行はブルーインパルスの専売特許なのだ。

しかし、米軍のデモチームの場合は
ご覧のとおり、曲技飛行100%なのである。

俺たちは飛びたいように飛ぶぜ!という
ロックの精神なのである。
アメリカンなのである。

※ちなみに曲技飛行は国土交通大臣への事前の申請と許可が必要。
→BIも、F16も許可の上で飛行中。


EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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4ポイントロール
背面の図。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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プリモ大尉、上空から
ばっちりサムアップをキメている。
ん、下向きにサムアップだから
サムダウンか、いや違うか。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III(一部拡大)

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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続いて、会場右手から進入、
ナイフエッジ。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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そして、サムアップ!
星条旗柄のグローブなので
遠くからでもよく分かる。

カッコいいなぁもう!

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III(一部拡大)

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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F-16は正面から見ると本当に小さい。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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小さい機体に剛力エンジン、
現代工学の結晶「CCV」で設計されているので
とにかくクルクルとよく動く。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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ロースピード・パス。
落ちてくるんじゃないかというほどの低速でフワフワ飛行。

しかし、そんな中、
プリモ大尉は余裕でお手振り。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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低速から一転、フルABで加速開始。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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速度もないのに引き起こして大丈夫か。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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その答え、
余裕。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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スパイラルダイブ。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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F-16は15分間空を暴れまわって
地上に降りてきた。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III

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度肝を抜くというのは
こういう飛行展示のことを言うのだろう。

EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM

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もう、この飛び方を見る前の自分には
戻れないかもしれない。

そんなことを思った。

プリモ大尉、
グッジョブ!




 小松基地航空祭の前、8月25日に開催された「松島基地航空祭」での、
コックピット内の様子が公開されていたので紹介します。
外から見るよりも、パイロットはもっと壮絶な状況で操縦してるのがわかります。

~見どころ~

● 高いGが掛かった時のプリモ大尉の呼吸の仕方。(耐G呼吸法=短く吸って息を詰めることを繰り返すことによって、血液が下がって脳貧血状態になるのを防いでいる)
● 5:40~ ダブルインメルマン(S字を逆になぞる上昇方法で、あっという間に雲の上へ≒1800メートル)。戦闘機だからこそ。
● 8:15~ ロースピードパス プリモ大尉のお手振り。
● 9:50~ ナイフエッジ プリモ大尉のサムアップ。
● 11:45~ 一瞬だけ雨の中を通過。キャノピーを流れる雨粒が美しい。
● 12:00~ デディケーション・パス 観客のいるエリアに死角から進入して、かすめるように弧を描いて高速で飛び去るビビらせ技。知らないと本当に驚く。
他にも見どころ沢山です。

参考・プリモ大尉プロフィール(米軍三沢基地WEBサイトから)

 米国オハイオ州シンシナティ出身。
 C-130輸送機のパイロットであった父の影響で、戦闘機パイロットを志す。
 高校生の時、自家用パイロットのライセンスを取得。
 高校卒業後、大学で予備役訓練プログラムを経て、米空軍のパイロットライセンスを取得。
 56週間に及ぶ、テキサス州シェパード空軍基地での訓練プログラム、アリゾナ州ルーク空軍基地でのF-16機種転換訓練を経て、2016年、青森県三沢基地に配属。
 20回もの実機訓練、PACAF司令官との面接を含む、インストラクターパイロット訓練を経て、デモンストレーションパイロットの資格を取得、2018年にF-16デモチームのコマンダーに就任。


 

撮影後記

 まさか、小松でF-16のデモフライトが見られると思いませんでした。
 かなり期待しつつ撮影に臨みましたが、想像以上でした。
 This is アメリカ!というド派手な演出の連続で、ヒコーキ好きだけではなく、これを見た人の誰もが心を鷲掴みにされるようなフライトでした。
 つくづく、流石アメリカはショーの見せ方が巧みだな、と思わざるを得ませんでした。

 ちょっと気になったのは、全然事情を知らない観客から「やっぱりアメリカのパイロットは自衛隊より操縦が上手い」みたいな感想があった、と耳にしたことです。

 自衛隊は、航空祭の飛行展示では宙返りやロールを行わないという自主ルールを適用しています。だから、いわゆる曲技飛行をするのはブルーインパルスだけです。
 でも、これはあまり知られていません。
 だから、完全な曲技飛行でより派手な飛び方をしたプリモ大尉の方が、事情を知らない人の目には「上手い」と映ってしまうのはある意味仕方ありません。
 実際は、プリモ大尉のような巧みな操縦ができるパイロットは航空自衛隊にもおそらく沢山います。
 F-16のようなパワフルな飛行機も沢山あります。
 しかし、それをアピールする場がありません。
 これって、すごく損してるのでは、と思います。

 ブルーインパルスの他にも、こういう実機の戦闘機を使った曲技飛行の展示があればいいのに、と思うのです。
 高性能な飛行機で、レベルの高いパイロットが防空任務に就いていることをアピールするのに、これほど手っ取り早い方法はありません。
 これを見て、飛行機とパイロットを好きにならない人は多分いないでしょう。

 だから、自衛隊も戦闘機を使った曲技飛行をやってほしいのです。

 いろんな大人の事情があるのはわかります。
 自衛隊と聞いただけで、眼尻を釣り上げて戦争だ戦争だとギャーギャー騒ぐ人がいるのも知っています。
 そういう人は、同じ日本にいながらも住んでいる世界が全く違っているので、分かってもらうのは難しいです。
 そういう人々を刺激しないように大人しく振る舞うよりも、もっと自衛隊をアピールして、より多くの味方を作るのがいいのではないでしょうか。
 自衛隊の日々の努力と献身を理解し感謝する「味方」の人々を、もっともっと増やすのがいい。
 航空祭は、そういうアピールにはもってこいの場です。
 戦闘機の曲技飛行も、味方を増やすための素晴らしいツールだと思うのです。

 自衛隊関係者の皆様、ぜひご検討を。
 

 

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