長野県大町市平
.
夏の森は
緑に満たされる。
.

.
.
.
どこを見ても、
緑、緑、緑。

.
.
.
森の中は
雨の季節特有の
湿気をはらんだ空気に満ちている。

.
.
.
そんな夏の森で
一頭のカモシカに出会った。

.
.
.
薄手の夏毛に覆われているので、
冬の貫禄は薄れているが
それでも、堂々とした立ちっぷり。

.
.
.
私のことを見つけると、
前脚や後脚を時折、
足踏みするように動かす。
今まで見てきた中で、
はじめてのリアクション。
こちらへの威嚇なのか。
それにしては、頭の上下動がない。
解釈に悩む。

.
.
.
その動きもそのうち収まり、
いつもの直立一点凝視。
カモシカにとっては
「なんか変な奴に遭っちゃったな」
という迷惑な局面なのだろうが、
こちらとしては、
嬉しい再会。
野生動物と目を合わせるのは
いつもドキドキする。
ちなみにニホンザルは
ヒトと目を合わせることがほとんどない。
サルが目を合わせてくるのは
本気で怒っている時だけ。
だから、ニホンザルと目を合わせてはいけない。
その点、カモシカは素晴らしい。

.
.
.
こちらの方を警戒しつつも、
近くにあった葉っぱを口に運ぶ。
何はともあれ
とりあえずはメシ、ということか。
こういうカモシカのクソ度胸が好きだ。

.
.
.
葉っぱを咀嚼しながら
こちらを見ている。

.
.
.
緑の中のカモシカも、
森の主、という趣があっていい。

.
.
.
よく見ると、首の付け根に傷があり
血が滲んだ跡がある。
なんの怪我だろうか。

.
.
.
独りで悠々自適、
余裕をかましているように見えて、
やっぱり自然の中で生きていくのは
大変なのだろうと思う。

.
.
.
その横顔は
どこか憂いを湛えたように見える。

.
.
.
カモシカは
そのままこちらに背を向けて
森の奥へと進んでいく。

.
.
.
複雑に折り重なった木々の緑にまぎれて
カモシカの姿は
すぐに見えなくなった。

.
10メートル見通すことも難しい夏の森で
カモシカに出会えたことは
幸運以外の何物でもない。
.
.
タグ「ニホンカモシカ」の関連記事
- 雄のニホンカモシカ ― 撮り初め2023
- 生存確認、ニホンカモシカ
- ニホンカモシカ、冬を越えて
- 大雪のニホンカモシカ
- 見知らぬニホンカモシカ
- ニホンカモシカ、冬から春
- 暖冬のニホンカモシカ
- 初冬のニホンカモシカ
- 夏の森のニホンカモシカ
- ニホンカモシカとニホンザル ― 春の雨
- 冬のニホンカモシカと恋の考察。
- ニホンカモシカの親子と夫婦
- 再会、ニホンカモシカ ー ポートレート
- 追跡、謎のニホンカモシカ
- 二頭のニホンカモシカ
- サルとカモシカとニホンリスに会った。― 撮り初め2016
- ニホンカモシカ ― 冬来たる
- つがいのニホンカモシカ
- 雪山のニホンカモシカ
- ニホンカモシカ、興味津々
- 大町市「中山高原」の蕎麦の花とニホンカモシカ