小松基地航空祭2023 ー 飛行教導隊(パイロット・APG)【前編】オープニングフライト

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石川県小松市 航空自衛隊小松基地 小松基地航空祭2023(10月7日)

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日本随一の「イーグルの巣」である小松基地。

数多のF15が居並ぶ列線の中にあって、
さらに目を引く機体がある。.

EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM + Topaz Photo AI

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これら極彩色のF15を駆っているのは、
航空戦術教導団隷下
飛行教導群
「飛行教導隊」。

通称、アグレッサー。

EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III + Topaz Photo AI

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「教導」の名が表すとおり、
彼らの任務は「空中戦技術の教導」、
つまりは第一線飛行隊の戦闘能力の強化。

そのために彼らは
「敵になりきって」飛ぶ。

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例えば、敵の爆撃機部隊の侵攻を想定する場合、
ある機体は爆撃機役、別の機体は護衛機役として飛ぶ。

役割分担だけではなく、
爆撃機は爆撃機らしい鈍重な動きを、
護衛機は戦闘機の機敏な動きをシミュレートする。

訓練時、
両軍ともに通常のF15と同じ制空迷彩では
上空で敵味方の区別ができない。

だからこそ、教導隊のF15は
わざわざ目立つ色で塗装している。

だが、上空で目立てば、
当然、発見されやすい。
「First look,first kill」と言われるように、
先んじて発見されるだけで、
空中戦は格段に不利になる。

そういうハンデを自ら進んで背負いながらも、
やすやすと相手に金星を取らせないのが教導隊なのである。

なにしろこの飛行隊に名を連ねるのは
F15での飛行が数千時間を超えるような
凄腕辣腕パイロットばかり。

この極彩色の塗装が放つのは
逃げも隠れもしない、さあどこからでもかかってこい、
という無言の圧なのだ。

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アグレッサーの機体も
オープニングフライトに向け
準備が進んでいる。

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082号機、
オープニングフライト1番機前席に搭乗するのは
飛行教導隊長「SIGMA」二等空佐。

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2番機である096号機もエンジンスタートに向け準備中。

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2番機前席に搭乗するのは
「SLEEPY」一等空尉。

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場内ナレーションによると、
SLEEPY一尉の父親もかつてイーグルドライバーで、
その父に影響されて戦闘機パイロットを志した。

なんとそのTACネームも、父親譲りなのだという。

親子鷹ならぬ「親子鷲」なのである。

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ちなみにSIGMA隊長の父親も
イーグルドライバーだったのだという。

実に戦闘機乗りの血が濃い集団なのだ。

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エンジンスタート。

エンジンに先駆けて、まず
JFS(Jet Fuel Starter)という小型のエンジンを始動する。
F15の始動で、まず最初に「ぎゅいーん」と唸るあれだ。

ちなみにJFSは機内のタンクからの圧縮空気で始動させるので、
外部からのエア供給は不要だ。

JFSの排気口はセンタータンクの後ろあたりにあって、
まずは機体の下面から陽炎が勢いよく吹き出すのが見える。

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JFSが正常にスタートしたところで、
その動力を使ってエンジンを始動させる。

JFSの動力は
CGB(Central Gear Box)、
AMAD(エーマッド、Airframe Mounted Accessory Drive)
を介してエンジンへと接続される。

F15特有の、狼の遠吠えにも似た始動音は
このCGBとAMADの唸りだ。

エンジン回転計、排気温度計、燃料流量計、
他にもチェックすべきものが沢山ある。
エンジン始動時、
パイロットの目は
計器パネルの表示を注視している。

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まず、右エンジンが始動。
AMADが切り離されると同時に
エアインテークがガクッと下がる。

間髪を入れず左エンジンの始動に入る。
ここでまた左のAMADを接続するので、
再び例の遠吠えが轟きはじめる。

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F15はバッテリーを搭載していないので、
本格的な電力の供給は
ある程度エンジン出力が上がってからとなる。

1発目のエンジンの回転が上がっていく途中で
灯火類が一斉に点灯し始める。

金属の鷲が本格的に目覚める瞬間だ。

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ノズルから勢いよく排気が吹き出す。

エンジンスタートが完了。

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続いて動翼の作動チェックに入る。

タタミ1.5畳くらいの水平尾翼が
いとも簡単にバタバタ動く。

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並行して、何人もの機付き整備員が
プリタクシーチェックを進めていく。

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時にはかがみ込み、覗き込み、
細部に渡って点検する。

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ひとたび3つのタイヤが滑走路を離れれば、
何が起きようとも
機体に手出しすることは決してできない。

プリタクシーチェックは、
機体の声を聞き、自ら手を下すことのできる
ラストチャンスなのだ。

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プリタクシーチェック終了。
キャノピーを下ろす。

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キャノピーアームド。

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タキシング開始。

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よく見ると、
前席と後席でヘルメットの形状が違う。

前席のヘルメットはJHMCS
(ジェイヘミクス=Joint Helmet Mounted Cueing System)
という、ヘッドマウントディスプレイ付きのもの。
イスラエル製。

火器管制システムとリンクしており、
敵機の方向(左右60度内)に顔を向けるだけで
ミサイルをロックオンできる。

外見はさほど変わらなくとも
現役のF15は着々と近代化改修を施され、
こういう最新装備を使えるようになっている。

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客席前を通って、
ランウェイエンドへ。

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整列し、敬礼して見送る地上整備員。

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機体キャノピー下の、
ローマ字で記された名前。

これは、パイロット名ではなく、
その機体を担当する整備員の責任者である
「機付長」の名前だ。

航空自衛隊のパイロットに専用機はなく、
その日によって搭乗する機体が違う。
その一方で、整備員は「機付き」であり、
担当機が決められている。

ちょうどそれは、
競走馬と厩舎の関係に近い。

整備員が責任を持って世話したF15を
騎手たるパイロットが空へと駆るのである。

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胸のネームプレートの「APG」は
Air Plane General = 「航空機整備員」の略。

そして右胸と右腕には
パイロットと同じ髑髏と白コブラのパッチ。
彼らも教導隊の一員として、
欠かすことのできない存在なのだ。

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082号機がエアボーン。

愛称はその色調から「ラムネ」とも。

でもそこは教導隊機、
強炭酸に違いない。

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096機はハイレートクライムするかと思いきや、
左斜め旋回で海上へと抜けていく。

オープニングフライトから
トリッキーな機動を見せつけてくれる。

ちなみに096号機は
機番の読みとカラーリングから
愛称はストレートに「くろ」。

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第1航過。

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第2航過。

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ギア出し+低速という条件下でも
微動だにしない安定した編隊。

さすがは鷲玄人である。

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第3航過。
各飛行隊1,2番機合同、
計6機によるエシュロン隊形。

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コンバットピッチで着陸態勢へ。

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列線へと戻ってくる082号機。

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ヘルメットは大切に専用キャリーバッグに収められる。

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096号機も列線へと帰還。

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乗り込む時と同様に、
降りる時もやることが沢山ある。

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地上に降り立つパイロット達。
右は096号機の後席
「CHAS」1等空尉。

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コックピットの中にいた時とは違う、
とても和やかな雰囲気。

右は082号機後席の「GORI」1等空尉。

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客席の子供たちに笑顔で応えるSIGMA隊長。

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空の上での、鬼神のごとく敵をねじ伏せる凄みは影を潜め、
クールで紳士なヒコーキ乗りがそこにいる。

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子供たちは
これをカッコいいと思わずにいられようか。

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今日触れたパイロットの大きな手を
あの子はきっと忘れない。

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こうして、
戦闘機乗りの魂は
世代を越えて
受け継がれていくのだろう。

【後編】に続く

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