【OP&F-15機動展示】【飛行教導群・大編隊航過】【F-4・F-2・ブルーインパルス】【外来機F2・F4帰投】
石川県小松基地 航空自衛隊小松基地
小松基地航空祭2018(9月17日)
外来機帰投
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すべての飛行展示が終わり、
航空祭も終盤を迎える。
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今年の航空祭は
いつもと少し違う。
それは、
例年、航空祭の終了後に行われている
外来機の帰投が
最後の展示科目として
プログラムに載っていること。
いつものように
蛍の光に急かされながら
やきもきしての撮影ではなく、
堂々と彼らの帰還を見届けることができる。
これは嬉しい。
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F-2。
機番は#13-8517
納入は2001年1月。
青森県三沢基地の第三航空団、
第三飛行隊に所属。
今回の地上展示のために
小松に飛来した。
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地上展示エリアからやや下がった
エプロン上に移動されるF-2。
整備員の動きが慌ただしくなる。
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パイロットが機体のもとへと到着。
右上腕の部隊ワッペンには
TACネーム「GRE」の文字。
「グレ」さんと読むのだろうか。
襟の階級章は1等空尉。
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整備員から引継ぎを受ける。
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パイロット自身による
機体の外部点検開始。
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時計回りに
機体各部を直接目視でチェック。
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主翼上面もミサイルパイロンに
懸垂してチェック。
そんなところにぶら下がって大丈夫かな、と思うけれども、
ここにセットされる90式空対空ミサイル(AAM-3)は
そもそも90キロくらいあるので全く平気なのだ。
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外部点検が終わり、
Gスーツのジッパーを閉める。
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搭乗。
座席のハーネスをしっかりと繋ぐ。
これはシートベルトであると同時に
万が一の際にパラシュートと体を結ぶ
命綱となる。
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ヘルメットを装着。
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バイザーのカバーは
第三飛行隊マーク入りの特注品。

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整備員が機体とインカムを接続、
正面でスタンバイする。
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キャノピークローズ。
F-16はキャノピーは分割されていないが、
F-2は3ピースに分かれている。
F-2はその任務上、
低高度を飛ぶ機会が多いので、
バードストライク等に備えて、
キャノピーの強度を上げるための措置だそうだ。
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エンジンスタート。
とは言っても、でかい主エンジンを
いきなり回し始めることには無理がある。
まず、小型の始動用エンジンJFS
(Jet Fuel Starter)を立ち上げる。
ギュイーンという始動音とともに
機体の下部がJFSの排気で揺らめく。
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JFSが立ち上がると
自動的にエンジンに接続され、
タービンが回転し始める。
エンジンに火が入る瞬間、
「ボッ!」という音が聞こえることを
今回初めて知った。
程なくして
ジェット排気のゆらめきが
はっきりしてくる。
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エンジンスタート完了。
高回転するタービンの
キーンという音が耳に刺さる。
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整備員が機体各部の安全ピンを抜いて
パイロットに示す。
この瞬間から
機体は危険部位も含めて
フルに可動することができるようになる。
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灯火類の点灯。
垂直尾翼先端のストロボライト。
瞬間的にしか光らないこいつを撮るのに
猛烈に苦労した。
今回の航空祭で
最も難しかった写真。
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各操舵翼の点検。
パイロットの操作で
各補助翼が正しく動くかを点検する。
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飛行前点検が終了。
ようやく飛び立つ準備が整った。
エンジンスタートからここまで約12分。
自家用車のように
キーを回してすぐ走り出すという訳にはいかない。
やはり戦闘機は
1機あたり100億円超の
空飛ぶハイテクマシンなのだから。
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車輪止めが外される。
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エンジンの唸りが大きくなって
タキシング開始。
3つの車輪に動力はない。
タキシングはすべて
ジェットの推力を微調整して行う。
すなわち、
自力では絶対にバックできない。
エンジンが回り始めたら
常に前向き。
それが戦闘機なのだ。
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整備員に誘導されつつ
機体がゆっくりと動き始める。
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小松空港をバックに
観客へ手を振るパイロット。
そのままゆっくりと
RWY24のランウェイエンドに向かう。
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管制塔から離陸のクリアランスが下りる。
視界を遮る人垣の遥か向こうで、
アフターバーナー特有の
辺りを揺るがすような轟音が大きくなる。
すると、人垣の向こうに
長い炎の尾を吐き出すF-2が舞い上がる。
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F-2はアフターバーナーを焚いたまま直進、
翼を左右に振る「バイバイ機動」で
観客に挨拶すると、
右旋回をして上空へと去っていった。
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続いて、隣で離陸準備をしていたファントムも
タキシングを開始。
ファントムのタキシングは
キャノピーを開けたまま行う。
パイロットたちが
観客に手を振って挨拶。
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観客達も
手を振って彼らを見送る。
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人垣の向こうに浮揚したF-4。
ファントム特有の排気音が空気を震わせる。
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飛行場を離れたファントムは
ゆっくりと右旋回しながら
小さくなっていく。
ファントムはそのまま高度を上げつつ
基地上空を横切って
ホームベースの岐阜へと向かう。
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ファントムの残したジェットサウンドが
遠雷のように風へと溶けていく頃、
場内には、
航空祭の終了を告げるアナウンスが流れ始め、
少し寂しい気持ちになる。
二年ぶりの小松基地航空祭。
素晴らしかった。
また彼らに
会いに来たいと思う。
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小松基地航空祭2018
― 完 ―
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撮影機材
EOS5D Mark IV
EF500mm F4 L IS USM
EF70-200mm F2.8L IS II USM
EF16-35mm F2.8L II USM
EXTENDER EF2×III
撮影後記
年に数回、空を飛ぶ夢を見る。
私は一人乗りのコックピットに座っていて、右手で操縦桿、左手でスロットルを握っている。
おそらく、戦闘機なのだと思う。
すでに飛行機は滑走路上を相当の速度で動いている。
私は操縦桿をゆっくりと引く。
すると飛行機は、リアルな浮遊感を伴って、空中に浮揚する。
「やった、飛んだ!」と思う。
私はさらに上昇しようと、操縦桿を引く。
だが、上がらない。
左手のスロットルを目一杯押し込んで、推力を上げる。
しかし、高度は一向に上がっていかない。
外の景色を見ると、電柱や電線が目線の高さで後ろへと流れていく。
まだこんな高さにいるのかと愕然とする。もっと上昇しなくては。
そのうち、飛行場の外に出たのだろうか、目の前に電線が迫る。慌てて操縦桿を動かし電線を避けながら飛ぶ。
ああ、もうだめだぶつかる、と思って、そこで目が覚める。
そんな夢だ。
私も旅客機に乗って、成層圏の世界を直に見た経験はあるし、さまざまな映像によって、戦闘機で空を飛ぶのはどういうことなのか、視覚的には知っている。
ただ、いくら知識として頭に詰め込んだとしても、夢の中で電柱以上の高さを飛ぶことができないのは、きっと空が私のものではないからに違いない。
空は、パイロットのものだ。
航空祭には、その基地に所属する航空機の他に、地上展示のための機体や、リモート(他の基地から飛来して着陸せず直帰する)で飛行展示する機体がある。
外来機帰投で撮影したF-2とF-4もそれに該当する。
F-2が所属するのは青森県の三沢基地。小松から直線距離で約640キロ。F-4の所属している岐阜基地は120キロの彼方にあるのだ。
遠路はるばる>本当にお疲れ様、と思う。
我々の感覚では、そうだ。
でも、彼らの乗っているのは自家用車ではなく、戦闘機なのだ。
自家用車では半日以上かかるであろう三沢基地へも、F-2の巡航速度であれば1時間かからない。
120キロ彼方の岐阜基地も、F-4でまっすぐ飛べば、おそらく20分とかからない。
ちょっと近所にお出かけというレベルなのだ。
人類の中で、大気圏内を最も素早く自由に飛べるのが、彼らパイロットなのである。
彼らの頭の中にある地図のスケールがどうなっているのか、興味がある。
小松から三沢まで、1時間もかからずに移動できるにもかかわらず、基地から自宅までは20分かかったりするのであろうか。
彼らにとっての距離のものさしは、どうなっているのだろう。
我々地べたを這いずる人間が逆立ちしても分からない縮尺の世界に、彼らパイロットは生きているのかもしれない。
何回見ても、パイロットは格好いい。
彼らは、かつて空の覇者であった鳥にさえ許されなかった速さと高さで、空を「自分の意志で」飛び回れる才能を持っている。
その才能を持つからこそ、彼らは1機100億円を超える金属の鳥を駆ることを許される。
夢の中で、電柱の高さを右往左往する私とは住んでいる世界がそもそも違うのだ。
私は、そこにいつも痺れ、憧憬の眼差しを向けざるを得ない。
警察官、消防士など、いわゆる「官」のつく職種がおしなべてそうであるように、自衛官である彼らも、人々から憧れの熱視線を受ける「表の顔」とは別に、日の当たらない、汗臭く泥臭い鍛錬の日々が厚く積み重なっているに違いない。
国を守るという、容易ならざる目的を果たすために、彼らに課されるものは決して軽くはないだろう。
だが、そんな中にあっても、彼らにはできる限り自由に空を飛んでいて欲しいと私は思う。
彼らの空を手にする才能は、彼らが血を吐くような努力の中で必死に磨き上げてきたものだ。
だから、空は彼らパイロットのものなのだ。
自由に空を駆け回るのは、彼らの特権なのだ。
今日も飛行機の音が聞こえてくると、私は窓を開けて空を見上げ、彼らの姿を探している。
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