長野県下高井郡木島平村穂高858 熊野山「稲泉寺」 地図
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大賀ハス。
1951年(昭和26年)
二千年の長き眠りから目覚める。
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千葉県千葉市検見川
(現・千葉市花見川区朝日ケ丘町)の
花見川下流湿地帯。
戦後の物不足の折、
燃料として使われていた草炭(ピート)の採掘中、
偶然、地中から1隻の丸木舟が掘り出された。
そして、この丸木舟と一緒に
ハスの果托が発見される。
大賀ハスの物語は
ここに始まる。

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当時、ハス研究の第一人者であった
植物学者の大賀一郎博士。
果托出土の報せを聞き、
もしや、と思い
地元ボランティアを募って
発掘調査を行うことにした。

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果托が出土したなら
種子も出てくるかもしれない。
ハスの種子発掘調査は
1951年(昭和26年)3月3日から開始された。
ところが、
当初の期待とは裏腹に
種子は一向に見つからない。
いたずらに時間だけが過ぎていく。

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めぼしい成果も上がらぬまま迎えた
3月30日。
翌日には調査打ち切りが決定している。
夕暮れが迫る。
もう後がない。

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あった!
発掘ボランティアに参加していた
花園中学校の女子生徒が
1粒のハスの種子を
ついに発見した。
地下約6メートルの泥の中から発見された
この種子が
奇跡の1粒だったことを人々が知るのは
もっと後になってからのことだ。

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ハスの種子発見に活気づいた発掘現場。
急遽、発掘の日程が延長され、
4月6日にさらに2粒、
合計3粒のハスの種子が発見されたのだった。

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5月。
大賀博士は
発掘された種子の
発芽実験に取り掛かる。

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5月7日。
大賀博士は硬い種皮にハサミを入れ
水を張った水槽に
種子を静かに沈めた。

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それから3日後の
5月9日未明。
ハスは長き眠りから目覚め、
発芽を開始した。

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発見された3粒の種子のうち、
2粒が発芽に成功。
だが、
発芽した2株のうち1株は
生育途中にあえなく枯死。
残された1株に
最後の希望が託された。

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大賀博士の切なる思いが届いたのか、
ハスはすくすくと育った。
そして、その翌年
1952年(昭和27年)7月18日。
花が、咲いた。
最後まで生き残って花を咲かせたこの株は
3月30日、
女子生徒が泥の中から拾い上げた
最初の1粒だった。

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発見された種子の上層から発見された
丸木舟の年代測定の結果、
ハスの種子は
約2000年前の、
弥生時代以前のものであると推定される。
ハスの開花は
世界最古の花の復活として
国内外に広く報道された。
そして、
このハスは
博士にちなんで
「大賀ハス」
と命名される。

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大賀ハスはその後、
大切に育成され、
幾度の株分けを経て、
今日では
日本各地の蓮池の夏を彩るまでになった。

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言うまでもなく
それらの大賀ハスは
66年前に地中から拾い上げられた
たった1粒の種子から
全てが始まっているのだ。

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夏空の下、
大賀ハスは
はるか昔の弥生人が眺めていた頃と
変わらぬ姿で
我々の目を楽しませてくれている。

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この花は
時空を超えた
そんな壮大なドラマを
身にまといながら
今日も咲き誇っている。
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― 追補 ―
驚くべきことに、
大賀博士がこのハスの
発芽に成功させる瞬間が
当時のニュース映像として残されていました。
NHKアーカイブス
1951年制作 日本ニュース 『二千年前のハスの実』(41秒)
今、日本中で咲いている大賀ハスは
(株分けで増やしてるので)
この映像のハスそのものなのです。
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