長野県大町市 平
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森の道でカモシカに出会った。
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まだ若そうな、小柄なカモシカ。

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角の角輪(かくりん)から見るに
5~6歳だろうか。

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そのかたわらには
大きなもう1頭のカモシカ。

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長い角に角輪が幾重にも刻まれ、
度重なる角研ぎで前面は平らになっている。
ゆうに10年以上は生きている個体だ。

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二頭は
親子ではなく
つがいだろう。
秋は彼らにとって恋の季節。
普段は孤独に暮らす彼らも
秋風が谷を吹き抜けるこの短い期間だけ
二頭が躯を並べて歩く。

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眼差しは鋭い。

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長老と呼ばれるほどに
齢を重ねたその表情は
強き者の威厳に満ちている。

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撮影後記
つがいのニホンカモシカに初めて会いました。
親子のカモシカとは違った、まさに「恋人同士」という距離感で
緑の中を歩いていました。
カモシカは不思議な動物で、彼らにとっての危険エリアまで近づかない限りはその場から逃げもせず、こちらの眼を真正面から見据えたまま身じろぎしません。
約十数メートルという至近距離で彼らとガッチリ視線が合う時、その視線から野生動物の強さと威厳が迫ってきて、動物的な緊張感を味わいます。
カモシカは広大な縄張りの中を移動しているので、
なかなか会うことができません。
しかし、カモシカと会う時というのは、なんと表現したらいいのかわかりませんが、「変な胸のざわめき」としか言いようのない感覚に襲われるのです。
この日も「カモシカを撮れたらいいな」と思い山の中をしばらくうろついたのですが、なかなか彼らには出会えず、ついに帰るか、ということになりました。
しかし、帰ろうとする意識とは裏腹に胸のざわめきは「いるぞ、いるぞ」と繰り返します。
その時、目の前の道を横切ったのがこのカモシカなのでした。
なんともオカルティックな話ですが、野生動物を撮っていると
そういう不思議なこともたまにあったりします。
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