『メシを撮ること』シリーズ
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お正月料理は
鮮やかで
眼にも楽しいのだ。
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伊達巻&蒲鉾。
伝統の練り物デュオ。
子供の頃、伊達巻のあの甘さが大の苦手だったのだが
いつしか大好物になってしまった。
齢をとるのも悪いことばかりではない。

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蓮根餅の揚げ出し。
ハスは不思議だ。
根は食べて美味しく、花は見て美しい。
なんとも徳のある植物だ。
新年早々、蓮の根を味わう幸せなのである。

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カズノコ&酢ダコ。
幼少の頃、なぜかカズノコに異常に固執した時期があった。
正月というと、カズノコが楽しみで仕方なかった。
隙あらばカズノコを頬張って、プチプチを満喫していたのが懐かしい。
当時ほどのカズノコ愛はないけれど、いまでも相当好きだ。
小一時間前に食べたカズノコのひと粒が
口の中で時間差をもって弾けるプチンという感触が、
あの日の郷愁を誘う。
酢ダコは酸っぱ過ぎる。
もう少しマイルドでも良いのではないか、と常々思う。

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イクラ。
「イクラ」が
ロシア語で「魚卵」
という意味だと知ったときはショックであった。
ロシアでは、鮭の卵も、タラコも、
あのカズノコでさえも
全て「イクラ」なのである。
秋の獲れたてプチプチイクラもいいが、
塩蔵のまったりとしたイクラもまた美味い。

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黒豆。
かのメンデル先生は、
エンドウ豆の「
しわ緑」「しわ黄」「丸緑」「丸黄」
という4つの形質をもとに
遺伝法則の仕組みを解明してみせた。
正月料理の黒豆をその観点から俯瞰するに
世間的には圧倒的に「しわ黒」が優性遺伝している。
これは家庭料理としてはレアな
「丸黒」の遺伝子が発現したケースである。

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煮物。
若い頃は、煮物の存在価値というものがよくわからなかったが、
年を経るごとに、その訴求力が増してくるのを感じている。
作る人ごとに、はっきりと味が変わるのが煮物。
美味しい煮物に感銘を受け懸命に模倣するも、その味には決して到達できない。
煮物には、そういう奥深さがある。

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朝からお屠蘇気分なのである。
お正月だもの。

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蓮根餅の揚げ出しが
お雑煮の代わりだと思っていたら
最後に本物が出てきた。
お正月だもの。

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帰り際、父が手作りベーコンを持たせてくれた。
数年前から自家燻製に凝っている父の自信作である。
数年前に初めて作ったベーコンも美味かったが、
今回は見た目からして、かなりグレードアップしている。
ピックル液の調合や浸漬、塩抜きをかなり工夫したらしい。
ヒッコリーとクルミのチップで燻煙してあるとのことで、
袋を開けた瞬間、たまらない燻製香が漂う。

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ベーコンとは本来、
こんなに美しいものだったのか。
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ベーコンとは
あくまでも燻製「肉」なのだ。
近似的品質を目指した市販品を見慣れると、
そういう基本的なことさえ忘れてしまいそうだ。
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まずはシンプルに、
フライパンで焼いてみる。
油は要らない。
脂身から出るラードで揚げ焼きする。
仕上げに粗挽き胡椒。
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熟成した赤身の旨味と
脂身の甘さ、
それを燻製香が包み込む。
やや強めの塩気と相まって
もう、いくらでも酒が飲めることこの上ない。
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ベーコン主役の料理の後には
脇役としての力も試してみたくなる。
で、ペペロンチーノを作ってみた。
ベーコンは脂身から出る油でカリカリに炒めて
そこにオリーブオイル、にんにく、唐辛子を投入。
にんにくに火が通ったところで
パスタの茹で汁を加えて、
ベーコンから旨味を抽出。
そこに固めに茹で上げたパスタを加えて
さらに絡め煮。
ベーコンからの塩気で丁度いい味加減になる。
アルデンテになったら完成。
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まさに別次元の味。
ベーコンだけでこんなに変わるとは。
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なんて、「おせちに飽きたら」的な料理を作っていると
やっぱり正月料理が恋しくなってきたりする。
で、我が家のお雑煮を作る。
至極シンプルに、
出汁で味わうお雑煮が好きだ。
今日は「茅乃舎だし」をベースに、薄口醤油、塩少々。
そこに小松菜、粟麩、人参、椎茸。
餅はちょっと焦げ目がついたくらいが香ばしくていい。
最後に柚子皮を添える。
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やっぱりこれがベスト。
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完全なる「喰い正月」を過ごしてしまった。
・・・反省(するフリ)。
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