平田浩一 肥田野雄紀 氷彫刻『イルカ』【3】

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21時。

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平田さんが本体の氷の上面を平ノミで整えている。
別の氷をこの上に組み上げる前の下処理だ。

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組み上げるのは、最初に彫ったイルカ。
しかし、そのイルカは2つに分割されている。

可搬性を増し、運搬によって壊れるリスクを回避するため、
平田さんはこの「分割→再接着」の手法を多用する。

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まず、下半分を所定の位置へ。

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上半分を組み上げ。

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そして接着。
イルカの上半身は元どおり一体となる。

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細かな削り屑(通称:雪)を
水で湿らせる。

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接着した部分へ投げつけて
氷と氷の間にある小さな隙間を埋める。
隙間に入り込んだ「雪」は、凍って固着する。

いわば「氷のパテ」。

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イルカの尾も同様に分割。
ヒレの部分など、特に薄く脆い部分は、
分割組み上げにするメリットが大きい。

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温めたアルミ板で接着面を平滑にする。

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水を流し込んで接着。

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さらに、ヒレ部分も同様に接着。

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21時18分、
イルカの全身像が姿を現す。

だが、「造形の鬼」たる平田さんが作ったにしては、
随分とずんぐり丸々としている。

実は、これには理由がある。

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平田さんはそのまま本体の氷の上で
イルカ全体を削り出す。

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イルカは当初から、本体の上で組み上げてから1体となるよう
上半身と尾の部分に分けて彫られていた。

いくら図面に忠実に彫ったとしても、
2つの部品には微妙なバランスの違いが生じる。

そこで、イルカ全体としてのバランスを後から調整できるよう
わざと「彫りしろ」を残しておいたのだった。

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平田さんは「彫りしろ」部分をみるみる削ぎ落とし、
ずんぐりイルカはリアルなイルカへと姿を変えていく。

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21時53分、
1頭目のイルカが完成。

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組み上げた当初とは比べ物にならないほど
シャープなボディラインになった。
これぞイルカという姿だ。

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雪は止むどころか、
あたり一面を白く染め始めている。

気温はマイナス5℃を下回った。

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本体の上に
肥田野さんが彫った三日月型の部品が組み上げられる。

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今度は別の氷を組み上げていく。

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22時37分、
筋彫り作業。

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23時04分。

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23時06分。
切削開始。

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23時15分。
何を彫っているかが明らかになる。

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23時21分。

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23時25分。

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23時44分。

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23時46分。

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23時51分。

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0時。

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氷像制作も折り返し地点となる。

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イルカの彫刻を進める平田さんの傍らで
肥田野さんは本体への彫刻作業を開始。

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三日月型の部品に彫ったのと同様の模様を
本体の上にも筋彫りしていく。

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筋彫りの線を基準にして、
立体感を出していく。

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【4】に続く

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