平田謙三 平田浩一 氷彫刻『遊泳』【7】

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夜半の雨に
どのチームも苦戦している。

雨は表面に施した細工の角を丸め、
着実に氷を侵食していく。

対処を誤れば、
製作終了を待たずに崩壊の可能性さえある。

作ること以上に
造形を維持していくことを念頭に置く必要が出てきた。

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氷彫にブルーシートが掛けられる。

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昨年も、そのまた前の年も
平田さんはこのブルーシートを持参していた。
遠征するにはかなり大きな荷物なので不思議に思っていたが、
こういう時のための装備だったのだ。

他のチームも雨に対する防護策を講じてはいるが、
ここまで本格的で大規模な対策を行っているのは
平田親子だけである。

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雨が止むのを待っている余裕はない。

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必要な部分のブルーシートをめくり上げて、
彫刻を再開する。

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雨は氷だけでなく
気力も体力も侵食していく。

終始、浩一さんは苦悶の表情を浮かべている。

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【8】に続く

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