平田謙三 平田浩一 氷彫刻『2015年 飛翔』【6】

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三日月型の部品にノコギリが入れられる。

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一体のものとして制作した部品を、
一旦小さな部品に解体して、それを本体の上で再び組み上げる。

普通、大きな部品の運搬は、二人以上で慎重に行われる。
しかし、いつも人足が確保できるとは限らないし、
狭い制作現場を多人数で動き回ることの危険性も高まる。

そんな時、この「分解→再構築」の技を使えば、
他のリスクを回避した上に、単独で大きな部品を移動することができるのだ。

薄く、かつ繊細な部品を壊さずに、確実に組み上げる
平田彫刻の伝統芸である。

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三日月型のパーツは
大ワシの傍らに配置された。

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その配置された部品の曲線を
本体上に延長していく。

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大ワシの左脚の制作。

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脚の羽根が生えていない部分はウロコ状に彫られる。
この「ウロコ彫刻」も浩一さんの得意技だ。

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左脚を彫る浩一さんの傍らで
謙三さんが、残った氷を本体の側面に積み上げていく。

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それを浩一さんが小さな三日月型に彫り上げる。

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もう一つの三日月形部品は
分解せずに、謙三さんと二人がかりで本体の上に運ぶ。

一つのやり方には固執せず、
臨機応変に最適な方法が選択される。

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本体右側に配置された三日月形の部品からも、
本体上に曲線が延長されていく。

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いくつも配置された三日月形のパーツは
大ワシの翼が巻き起こす波だった。

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少しでも材料を確保するため、
本体の基部は中空構造になっている。

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観客からは直接見えない
背中の部分にもノミを入れ、
全体のバランスを調整する。

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ディスクグラインダーで
波の表面を滑らかに整える。

いよいよ仕上げ段階に入った。

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午前3時45分。
天候晴れ。
気温マイナス3.1度。

切削作業終了。

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表面の凹凸の中に入り込んだ
細氷をブロワーで除去する。

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白く霞みがかっていた氷が
冷たく透明な輝きを宿す。

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遠くから見るとわかりづらいが、
波は3層構造に作りこまれている。

この薄い部品の中にも
さらに奥行きが与えられているのだ。

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今にも獲物を一掴みにしそうな
猛々しい爪先。

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氷から生まれたばかりの大ワシが見据えているのは
何なのだろうか。

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【7】へ続く

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